ブルカーのIn Operando環境試験スイートは、幅広い温度、使用ガス、湿度、ひずみ率などの使用環境下での材料のナノメカニクスとナノトライボロジーの特性評価を可能にします。これにより、研究者は、エンジニアリングソリューションに直接適用可能な基本的な材料性能パラメータを得ることができます。典型的なナノメカニック材料の試験は、高度に制御された実験室の条件で行われることが多く、希望する作業条件に対応していないことがよくあります。多くの場合、材料の特性、速度論、および化学的挙動を周囲温度付近から外挿することは有効ではありません。120°Cから800°C以上の温度で、複数の使用条件でナノスケールの機械的特性を正確に測定してマッピングする能力は、環境と機械的な極限状態に耐えるように特別に調整された特性を持つ新しい材料の開発に役立ちます。
ブルカーのxSol®高温ステージ 加熱システムは最大800℃までサンプルを加熱可能。高温領域においても安定的、定量的なナノ力学特性評価、ナノトライボロジー特性評価を実現します。xSolステージはサンプルの上下それぞれにフィードバックコントロールされた抵抗加熱ヒーターを搭載しているため、サンプルおよび圧子を均一に加熱可能、試験温度の安定までの待機時間ロスを低減します。また、酸化などの化学反応の影響を抑えるためにxSolステージ上の雰囲気ガスをコントロールすることが可能です。
ブルカーのxSol 冷却システムは-80℃まで(オプションで-120℃まで)サンプルを冷却した状態で、定量的なナノ力学特性評価、ナノトライボロジー特性評価が可能です。冷却乾燥窒素ガスとPIDコントロールされたヒーターを用いることで、xSolステージ上のサンプルの温度を正確にコントロールし、熱ドリフトも抑制、設定温度までスピーディーに到達します。ステージ内は冷却された乾燥窒素ガスで満たすため、水分によるサンプルの凍結を防ぎ、極低温での長時間の測定を可能にします。
ブルカーの TI 980 IO グローブボックスシステムは酸素濃度、水分濃度を0.1ppm以下に抑えた環境下でナノ力学特性評価が可能です。不活性ガス雰囲気下における評価が必要な各種材料に特に有効です。本グローブボックスシステムでは、高真空の10-4Torr環境下と同様の酸素分圧を実現し、正確に制御されたガス雰囲気下で材料のナノ力学特性評価を安定的に行うことができます。
ブルカーのxSol 湿度コントロールシステムは幅広い領域で温度、湿度のコントロールを実現。高温多湿環境下で使用される材料や吸放湿性のある材料などのナノ力学特性評価、ナノトライボロジー評価に特に有効です。サンプル全体の湿度調整を必要とするマクロな評価と異なり、ナノ力学特性評価は試料表面の湿度調整のみで評価可能なため、試験時間の短縮が期待できます。