MALDI-TDSは、MALDIソース内のソース分解で生成できる断片化(ISD)を使用して、大きなタンパク質(40 kDa超)からでもN末端およびC末端配列を効率的に読み取ります。MALDI ISDは一価の化学種を生成するため、配列の読み取りが非常に簡単になります。これらを用いて未知のタンパク質を同定し、融合タンパク質または突然変異部位の詳細構造を割り当てることができます。複雑なペグ化治療用タンパク質および抗体(無傷およびサブユニット)は、MALDI-TDSを使用した分析が可能です。伝統的なエドマン法による配列解析機能に付加価値を与え補完するMALDI-TDSは、N末端ブロックタンパク質にも使用でき、C末端に関する情報も提供します。さらに、サンプルの調製、スペクトルの取得、高速で信頼性の高い専用のTDSソフトウェアを使用したスペクトル処理から、注釈付きのISDスペクトルの形で結果を得るまで、メソッド全体にかかる時間はわずか数分です。文書化された分析結果を提供するため、PDF形式のレポートが自動生成されます。
まとめると、MALDI TDSの利点は次のとおりです。
- 大きな未消化タンパク質からでも配列情報を生成できる
- N末端 + C末端の特性評価が速い
- エドマン法による配列解析の付加価値を高める