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エナンチオマーの純度

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右図は、50µm KBr液体セルで取得した、様々な光学純度のα-ピネンのVCD(上)と吸収スペクトル(下)を示しています。(1R)-α-ピネンは青、(1S)-α-ピネンは赤のVCDスペクトルです。その間にある別の色で示されたスペクトルは、異なる比率のエナンチオマー混合物によるVCD信号を表しています。右図では、鏡像体過剰率が+100、+75、+50、+25、+10、-10、-25、-50、-75、-100である青から赤のα-ピネンのVCDスペクトルが示されています。すべての吸収スペクトルは一致しています。

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右上の図からも分かるように、吸収スペクトルが同じでも、エナンチオマー(互いに鏡に映した構造を持っている2つの分子)のVCDスペクトルは反対の符号を持ちます。VCD分光法では、もともと同じ物理的特性を持つエナンチオマーを区別することができます。また、光学純度(例:両エナンチオマーの比率)を定量的に決定することも可能です。光学純度は鏡像体過剰率で定義されます:

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ここではcRは(1R)-α-ピネンの濃度を、cSは(1S)-α-ピネンの濃度を示します。同量の(1S)-α-ピネンと(1R)-α-ピネンの混合物などラセミ体の場合、鏡像体過剰率fEE = 0となります。その結果、光学活性が上昇し、VCDスペクトルが完全なスペクトル領域でもゼロになります。

OPUSに含まれるケモメトリックス手法では、光学純度が不明なサンプルについて、定量アルゴリズムによる適切な検定を行った後、光学純度を決定することができます。

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