Nuclear Magnetic Resonance (NMR) Webinar

マルチレシーバーを用いたNMR測定時間の短縮化

核磁気共鳴(NMR)法は原子レベルの分解能を有しており、有機化合物、生体高分子や材料など幅広い分野で用いられています。しかしNMR法は分光分析法の中では低感度であり、測定に長い時間が必要になるという点が課題となっています。NMR測定時間の短縮のために様々な手法が開発されていますが、本webinarではマルチレシーバーを用いて1つのサンプルに複数のNMR測定を行う際の測定時間の短縮について説明します。

内容

マルチレシーバーを搭載したNMR分光計では複数のスペクトルを同時に測定するマルチレシーブ実験が可能です。レシーバーを一つ装備した分光計ではスペクトルを一つずつ順番に測定するので測定に時間を要します。それに対して、マルチレシーブ実験をすることにより測定時間を短縮できます。ここではマルチレシーブ実験の中から一次元、または二次元の1H-1H相関と1H-19F相関の同時観測や1H-13C相関と19F-13C相関の同時観測などの実例を示しながら説明します。

キートピックス

主に低分子有機化合物を対象としたマルチレシーブ実験に焦点を当て説明します。その他、生体高分子などの分野における測定例についても紹介します。

対象となるお客様

  • マルチレシーバーを使用した測定技術に興味のある方
  • 有機化合物のNMR解析に興味のある方、行っている方
  • 新しい分光計 (AVANCE NEO) に興味のある方

金場 哲平
バイオスピン事業部 アプリケーション部  

タンパク質の構造研究を志して大学では構造生物学の研究室に進み、そこでNMRと出会う。現在はタンパク質や低分子の溶液NMRを専門としてブルカージャパンのアプリケーション部に所属する。