二日間の講習(1日目10:30-17:00、2日目9:30-17:00)
講習で利用するソフトウェア: TopSpin 4
定員: 10名
最低開講人数: 5人
本講習では、固体NMRの高度な測定技術について学びます。対象となる測定法には、以下のような手法が含まれます:
•1H CRAMPS法 (Combined Rotation And Multiple Pulse Spectroscopy): 固体サンプルの高分解能1Hスペクトルを観測する手法で、複雑な1H環境の解析に有効です。特に固体高分解能1H NMRスペクトルが求められるポリマーや生体材料、薬剤の研究において重要です。
•2D1H-13C HETCOR法(HETeronuclear CORrelation):1Hと13Cの距離相関を2次元スペクトルで可視化することで、分子構造の詳細な解析や官能基の配置の特定、水素結合の有無の解析に有効です。CRAMPS同様、ポリマーや生体材料、薬剤の研究において有用です。この技術を1H-15Nや1H-29Si HETCOR等、別の1H-X核の観測に応用することも可能です。
•MQ-MAS法(Multiple Quantum-Magic Angle Spinning):四極核(例:11B,27Al, 23Naや87Rbなど)のスペクトルを高分解能化し、化学環境の違いを明確にします。ゼオライトや鉱物などの無機材料や複雑な有機・無機ハイブリッド材料の解析に役立ちます。
さらに、講習ではスペクトル・フィッティングの可能性についても触れます。これは、得られたスペクトルデータを数理モデルに基づいて解析することで、より定量的かつ精密な情報を抽出する技術です。
これらの内容を通じて、参加者の皆様には、固体NMRの応用力を高め、実際の研究や開発に活かせるスキルの習得を目指していただきます。
講習内容
受講対象
複雑な固体材料のNMR解析において、13C CP-MAS法などの一次元NMR測定では解析の限界を感じておられる方、また、固体NMRの一次元測定技術を十分に習得され、さらに高度な測定手法への挑戦をご希望の方。
*iProbe CP-MASにも対応しています。