セミナーの概要

NMR(核磁気共鳴)は核の磁化を直接観測することができる分光法です。観測された信号は、化学シフト値から官能基の種類を、Jカップリングのパターンから隣り合う構造を、そして信号の面積を比べることで化合物の原子数の比を、それぞれ求めるために用いることができます。とくに信号面積は同一分子内に用いるだけではなく、異なる分子間のモル比を算出するのに用いることもできます。この分子間の信号面積の相対比較を応用し、既知濃度の化合物に由来する信号を基準として、未知濃度の化合物の濃度(または未知濃度の試料量)を求めるアプリケーションは近年広く利用されるようになり、「定量NMR」と呼ばれ注目されています。  「定量NMR」では多くの場合、S/N(信号対ノイズ比)を増補するために積算(繰り返し測定を行い、信号を足し合わせること)を行いますが、目的に合わせて精度高く定量を行うには積算に関係するパラメーターだけでなく、様々な分析条件の最適化が求められます。また特に初めて定量を行いたい化合物を対象とした場合、試料調製から測定やデータ処理の条件など、すべての段階においての事前検証も望まれるため、知っておくと有利になる予備知識がたくさんあります。 このWebinarでは、積分値を用いて具体的な定量評価を行うまでに各段階でどのような点に気を付けて作業をおこなうのか、主に測定や処理のパラメーターについて具体的な操作を紐づけしながら紹介します。

主な内容

化合物にどんな官能基が何個含まれるのか?反応の収率、副生成物は何%か?構造の確認、だけではなく「NMRを用いた定量」は古くから広く知られている方法です。しかしながら、手元の試料と装置でいざ自分が定量を試そうと思ったときに、何に注意を払って測定・評価する必要があるでしょうか。今回のWebinarでは定量NMRで必要な予備知識を段階ごとに説明し、その手順を紹介します。

実施日時

2018年3月20日
オンデマンド版視聴とスライドダウンロード

得られる情報

NMRを使った定量で検討が必要となる様々な要因についての解説を行います。主に測定の段階で重要となる、フリップ角、パルス繰り返し時間、観測中心、スペクトルのデジタル分解能など各パラメーターや測定後のデータ処理と積分のとり方を中心として、試料調整などについても触れます。

対象となるお客様

  • 溶液NMRで定量を行ってみたい方
  • 定量分析業務にかかわる方
  • 製薬、化学工業、食品などの分野で定量NMRを試されたい方
  • NMRの定量の基礎を学びたい方

演者プロフィール

平野 桐子(アプリケーション部)

kiriko.hirano@bruker.com

Kiriko

(bio)

金場 哲平(アプリケーション部)

teppei.kanaba@bruker.com

Teppei kanaba

(bio)

Biography

平野 桐子(アプリケーション部)

大学在学中に糖タンパク質の合成研究を通じ、NMRやMS、LCなどの種々の分析手法に出会う。NMRは測定原理がシンプルな一方で、得られる情報量の多さや繊細さという特徴をもち、その魅力に惹きつけられ続け、現在に至る。

金場 哲平(アプリケーション部)

タンパク質の構造研究を志して大学では構造生物学の研究室に進み、そこでNMRと出会う。現在はタンパク質や低分子の溶液NMRを専門としてブルカー・バイオスピンでアプリケーション部に所属する。