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拡散現象を捉える(初級編)

拡散をはじめとする溶液や流体中の分子の並進運動は、物質の輸送や化学反応などの動的な現象において大きな役割を果たしており、製薬、材料化学、食品工学などの様々な分野で重要な研究対象となっています。一方で分子の並進運動を観測するための手法は限られており、その中でも試料に対して非破壊的に観測できる手法としてはほぼ核磁気共鳴(NMR)分光法に限定されます。このためNMR分光法は流
ウェビナー開催日: 3月 27th 2018

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Overview

拡散をはじめとする溶液や流体中の分子の並進運動は、物質の輸送や化学反応などの動的な現象において大きな役割を果たしており、製薬、材料化学、食品工学などの様々な分野で重要な研究対象となっています。一方で分子の並進運動を観測するための手法は限られており、その中でも試料に対して非破壊的に観測できる手法としてはほぼ核磁気共鳴(NMR)分光法に限定されます。このためNMR分光法は流体試料中(自己拡散)や溶液試料中(溶質の拡散)の分子の並進運動を観測するうえで非常に重要な手法となっています。また、NMR分光法では、この他に試料中の複数の成分を個別に同時に観測することができることや平衡状態で分析をおこなえることなどの理由により、非常に汎用性の高い手法となっています。しかしNMR分光法を使った分子の並進運動の観測には特殊な装置と技術が必要であり、さらにNMR分光法自体が分光法のなかでも複雑で難解であるというイメージを持たれているため、分野外の方やNMR初心者の方がすぐに分析を始めるにはなかなかにハードルが高いと感じるかもしれません。そこで本ウェビナーではそのようなNMR分光法を使った分子の並進運動の分析に興味があるがまだ始められていない方、もしくは多少の経験はあるが体系立った理解ができていない方に向けて、溶液/流体中の分子拡散係数の測定を中心とした、直感的な原理の説明と必要なハードウェアについての解説、そしていくつかのアプリケーション例の紹介をおこないます。

Who should attend

  • 流体/溶液試料の分子拡散の測定に興味がある方
  • 食品工学に携わる方
  • 製剤に携わる方
  • 電池材料の研究開発に携わる方

What attendees will learn

溶液試料や流体のマクロな特徴を捉える上で重要な物理量の一つとして拡散係数があります。核磁気共鳴(NMR)分光法をつかった拡散係数の測定は、様々な試料を対象に汎用的に使えると同時にケミカルシフトや核種の違いを利用することで成分ごとの拡散係数を個別に測定することができる強力な手法です。本ウェビナーでは、NMR分光法を使った拡散測定の初級編として、どのような原理でどのような情報が得られるのか、また必要な測定法/解析法がどのようなものであるかを初学者に分かりやすい形で解説します。

演者

畑中 稔
畑中 稔
バイオスピン事業部 アプリケーション部
タンパク質のフォールディングに興味を持ち、学生時代は赤外、ラマン分光でタンパク質研究を行っていました。ポスドクから固体NMRに転身し、それ以降、固体NMRによるタンパク質研究を軸に活動してきました。今もなお進化し続ける固体NMR測定技術そのものにも興味が尽きません。
堤遊
堤遊
主幹研究員
「幅広くなんでもやる」をモットーとして、溶液、固体、LC-NMR、ケモメトリックスなど分野を問わず実際になんでもやっています。日々NMRとその周辺技術の応用とあらゆる業界への普及にまい進しています。最近の個人的な興味は機械学習とブロックチェーン。