本webinarでは二つのトピックスを紹介します。一つ目は、固体NMRによる製剤過程で生じる結晶多形の評価です。薬の薬効には結晶構造が深く関わっており、製剤過程でそれが厳密に制御されていなければなりません。固体NMRではその評価を簡便に行うことができます。二つ目は、疾病の原因タンパク質の原子レベルでの構造、機能解析の研究への貢献です。ブルカーが開発した固体用 クライオプローブは、より詳細なメカニズムを探究できる可能性を秘めています。
製剤研究における固体NMRの有用性と、結晶多形を持つ薬剤中の成分評価方法を説明します。また、クライオプローブの検出感度の向上によってもたらされる、製剤、生体物質の研究の効率化について説明します。
畑中 稔
ブルカージャパン バイオスピン事業部 アプリケーション部タンパク質のフォールディングに興味を持ち、学生時代は赤外、ラマン分光でタンパク質研究を行っていました。ポスドクから固体NMRに転身し、それ以降、固体NMRによるタンパク質研究を軸に活動してきました。今もなお進化し続ける固体NMR測定技術そのものにも興味が尽きません。