1 GHz から 263 GHz まで

多周波数CW-ESR

磁場依存項と独立項を分離

多周波ESRは、磁場依存項と独立項を分離するためのツールです。ブルカー・バイオスピンのESR製品は、現在、1GHzから263GHzという幅広いマイクロ波周波数を網羅しています。

  • Lバンド、Sバンド:1GHz、3.5GHz
  • X-Band:最も一般的な周波数で約9.8 GHz
  • Qバンド:34 GHz
  • Wバンド:94 GHz
  • ミリ波:263 GHz

 

高周波 ESR の利点はよく知られていますが、低周波 ESRの場合は大きなサンプル、特に in-vivo 研究に最適です(ELEXSYS E540)。

多周波ESRスペクトルは、シミュレーションがより効果的です。また、広い時間領域で運動効果を調べることができます。

多周波数CW-ESR

CW-ESRシステムの多くはXバンドで動作しています。従って、多周波CW-ESRへの第一歩は、異なる動作周波数を使用する、ということになります。通常のCW-ESRの場合、34GHzのQバンドが最適ですが、その理由は以下の通りです。

  • Qバンドは3倍のゼーマンエネルギーを供与
  • 外径3mmの比較的大きなサンプルサイズ
  • Qバンドのプローブは、オプションでウィンドウまたはENDOR機能の搭載が可能

 

次以下の表は、最も一般的なESR周波数とその周波数範囲、およびラジカル種に対するg=2の磁場掃引の値をそれぞれ示しています(「ESRとは?」の CW ESR 理論を参照してください)。これらの周波数は全て、当社の磁石システムで一般的に提供されているものです。

マイクロ波周波数帯域と磁場

  L S X Q W
v / GHz 0.8-1.2 3.4-3.8 9-10 34 94
g = 2 / kG 0.35 1.3 3.4 12.2 33.5

多周波FT-ESR、ENDOR、ELDOR

Bruker BioSpinの多周波ESRは、CW-ESRのみにとどまりません。ブルカー・バイオスピンのESR製品は、CWモードとパルスモードの両方で、実際の多周波およびマルチレゾナンスESR、ENDORおよびELDORが可能です。例えば、中間周波数(IF-)のコンセプトにより、XバンドE580システムをQバンド(SuperQ-FT)に容易にアップグレードすることが可能です。