アプリケーションノート -  磁気共鳴

理想的なスパゲッティ

磁気共鳴顕微鏡では、乾燥状態および調理したパスタの評価が可能で、水分の分布を可視化することができます。

スパゲッティは、世界的に有名なパスタの一つです。乾燥した状態で簡単に手に入り、便利です。スパゲッティは、味と同様に食感も重要であるため、多くの人がアルデンテ、すなわち噛んだ時の弾力を楽しんでいます。乾燥スパゲッティの食感は、押出成形と乾燥の工程に大きく左右されます。競争の激しい市場において、製品の購入体験を良好なものと印象付けるためには、強力な品質管理が必要です。

磁気共鳴顕微鏡では、乾燥状態および調理したパスタの評価が可能で、水分の分布を可視化することができます。調理時に水分が再度拡散され、パスタが膨張する様子が図1および図2に示されています。図3は、乾燥させたパスタの水分再分散の様子をパラメータを変えて時系列に測定したもので、膨潤の様子と亀裂の形成が異なっていることが分かります。乾燥時間が短いと、スパゲッティがアルデンテとみなされる時間はごくわずかになります。

参考文献:

ZWEIFEL, Christoph, et al. Influence of high‐temperature drying on structural and textural properties of durum wheat pasta. Cereal Chemistry, 2003, 80. Jg., Nr. 2, S. 159-167.

SEKIYAMA, Yasuyo, et al. T2 distribution of boiled dry spaghetti measured by MRI and its internal structure observed by fluorescence microscopy. Food research international, 2012, 48. Jg., Nr. 2, S. 374-379.

図1:冷水に入れたスパゲッティが膨張する様子
図2:4種類の茹で時間でスパゲッティを調理したもの、およびリファレンスの乾燥状態のものをNMRチューブに入れて比較
図3:4種類の異なる温度・湿度条件で乾燥させたスパゲッティを、時間を変えて調理したもの