WDSによる宝石の粒度と純度の制御

キュービックジルコニア(ZrO2)は、宝石のダイヤモンドの経済的な代替品として使用される人気の合成宝石です(図1)。ZrO2 結晶を安定化させるために、酸化カルシウム(5~8 wt.%)や酸化イットリウム(15~18wt.%)がしばしば添加されます。また、ハフニウムなどの他の元素も少量存在する可能性があります。

キュービックジルコニアのEDSスペクトル(図2)は、広がった不規則なZr Lピークを示していますが、他の元素線の影響を簡単に識別することはできません。対照的に、WDSスペクトルは、Y  Lエネルギーラインから様々なZr Lエネルギー線を明確に分解し、Mシリーズのエネルギー線を使用してHfを検出します。高いスペクトル分解能を備えたQUANTAX WDS は、宝石のグレーディングと純度管理のための貴重なツールとなります。

図1:キュービックジルコニアで作られた合成宝石を使ったジュエリーの例示的な写真
図2:1.5~2.4 keVのエネルギー領域におけるキュービックジルコニアのX線スペクトル部セクション。EDS と比較してWDSのスペクトルが高分解能であることを示しています。