LIQUID CHROMATOGRAPHY SYSTEMS

nanoElute® 2

nanoElute® 2は、直感的かつ柔軟なユーザーインターフェースを備えた高性能ナノフロー液体クロマトグラフィーシステムで、シングルセルからハイスループットのルーチンプロテオミクスまで幅広いアプリケーションをカバーします。

妥協のない堅牢性と性能

液体クロマトグラフィー質量分析の高品質なデータは、堅牢なnanoElute® 2分離システムによって実現されます。

LIQUID CHROMATOGRAPHY

nanoElute® 2

高性能
極めてシャープなピークで最高のプロテオミクスパフォーマンスを実現
柔軟性
ユーザーがコントロールできる柔軟な機能と注入モード
堅牢性
ポンプ設計の改善により、これまでにない再現性と堅牢性を実現
ユーザーフレンドリー
ビギナー向けのユーザーフレンドリーなインターフェースとエキスパート向けのトラブルシューティングの手順支援

nanoElute® 2

nanoElute® 2は、前モデルの基本原理をベースに、比類のない堅牢性、究極のクロマトグラフィー性能、使いやすさを目指して改良されました。

  • これまでにないポンプの再現性と堅牢性
  • 最高のプロテオミクスパフォーマンスを実現する極めてシャープなピーク
  • ユーザーがコントロールできる柔軟な機能と注入モード
  • ビギナー向けの使いやすいインターフェイス
  • エキスパート向けのトラブルシューティングの手順支援
  • 自動化されたサンプル前処理ワークフロー
  • ラベルフリーシングルセルレベルのワークフローに対応する究極のLC-MS感度を実現

nanoElute® 2 は、シングルセルからハイスループットのルーチンプロテオミクスまで、幅広いアプリケーションに対応します。この次世代システムは、最高のクロマトグラフィー分離能により、卓越したペプチドの同定および定量を実現します。

堅牢なクロマトグラフィー分離 : 10回連続注入の抽出イオンクロマトグラム(27ペプチド)を重ね合わせたものです。20 fmol BSAトリプシン消化物 (Bruker Daltonics 8217498) をPepSep TWENTY-FIVE カラム (パーツ番号 1893476, 150 μm ID, 1.5 μm particle size) に注入し、10分間のグラジエントで分離しています。

これまでにない再現性と堅牢性

かつてない再現性と堅牢性を実現 : 

  • 切替バルブの硬化処理による長寿命化
  • 改良されたポンプ設計
  • フィンガータイト、トルク制限キャピラリーにより、締めすぎやキャピラリーの破損の心配がなく、リークフリー、ゼロデッドボリューム接続が可能
数百回の注入で安定した保持時間 (A) 20 fmol BSAトリプシン消化物 (8217498) をPepSep FIFTEENカラム (パーツ番号1895814、ID 75 μm、粒子径1.9 μm) に400回連続注入し、10分のグラジエントで分離。8個のペプチドについて安定した保持時間が得られました。 (B) 保持時間の中央値を正規化したボックスプロットは、8つのペプチドの平均保持時間偏差が2秒未満であることを示しています。

極めてシャープなピークと最高のプロテオミクス性能

nanoElute® 2は、異なるグラジエント長でも正確で再現性の高いグラジエント分離を実現し、狭いピーク幅と優れたピークキャパシティを実現します。

異なるグラジエント長における50 ng K562消化物注入の信頼性の高いパフォーマンス (A) 溶出ピークのFWHMと対応するボックスプロット。グラジエント長を変更しても一貫した狭いピーク幅を示し、長いグラジェントではわずかな増加に留まります。(B) グラジエント長に依存するタンパク質グループおよびプリカーサー同定のボックスプロット (DDA-PASEF - timsTOF Pro 2, Bruker ProteoScape リアルタイムサーチエンジンとTIMScore)。

timsTOF HT との組み合わせにより、すべての注入量において信頼性の高いパフォーマンスが達成されました。図 C は、1600 ng の K562 トリプシン消化物をdda-PASEF® 法(データ依存的取得型パラレルアキュムレーションシリアルフラグメンテーション法)により 41 分間測定した場合の結果です。

K562 トリプシン消化物をtimsTOF HT により測定し(dda-PASEF 法、PepSep Twenty-five シリーズカラム (150 μm ID, 1.5 μm particle size)、41 分間ランタイム)、TIMScore™ 付き Bruker ProteoScape リアルタイムサーチエンジンで 6800 以上のタンパク質群を同定しました。

ユーザーフレンドリーでトラブルフリーのクロマトグラフィー

nanoElute® 2は、独自のバルブデザインにより、ソフトウェア制御によるトラップカラムのダイナミックインクルージョンとバックフラッシュによるシャープなピークのためのサンプル流路を実現しています。前モデルの優れた機能性はそのままに、よりシャープなピークを実現します。: 

  • オンザフライでのダイナミックなメソッド設定
  • 効率的な事前設定されたカラム洗浄と再平衡化
  • 完全に統合されたインテリジェントなソフトウェア制御
  • 品質管理およびリーク管理を内蔵
  • トラップ&エリュート、ダイレクトロード、ダイレクトインフュージョン実験間のシームレスなスイッチング

これらの機能により、高性能、柔軟性、堅牢性について妥協する必要がなくなり、結果に対する完全な信頼性を得ることができます。

完全に自動化された自己テストと診断が、ビギナー向けの使いやすいインターフェースに組み込まれており、エキスパート向けのトラブルシューティングの手順も支援されています。

フローパスを段階的に評価することで、トラブルシューティングやメンテナンスのための潜在的な問題を容易に特定できるようになりました。

サンプル前処理手順では、性能評価、オートサンプラー洗浄、溶媒交換の手順をユーザー定義で柔軟に設定できます。

自動化されたサンプル前処理ワークフロー

サンプル前処理を自動化することで、手作業の必要性を軽減し、ユーザー定義の入力設定に基づき構成することができます。以下のリキッドハンドリング機能により、LC-MS分析直前のサンプルの溶解・混合が可能です :

  • バイアルからの添加
  • 溶解
  • 誘導体化
100 ngのK562トリプシン消化物をPepSep Twenty-fiveシリーズカラム(内径150μm、粒子径1.5μm)に注入した際のベースピーククロマトグラム。下段:注入直前にオートサンプラーでペプチドを0.001%DDMに再懸濁(dissolve)した場合(52589 +/- 1020のプレカーサーを同定)。上段:あらかじめペプチドを0.001%DDMに溶解(control)しておいた場合 (51475 +/- 699 プレカーサーを同定)。

難易度の高いオミックス解析に最適化したプラットフォーム

IonOpticks Aurora カラム (75 μm ID x 25 cm) を用いて、62.5 pg から 32 ng の HeLa トリプシン消化物から (A) 1400 ~ 7100 のタンパク質グループと (B) 7000 ~ 59000 のプリカーサーを45分以内に同定 (dia-PASEF® - timsTOF SCP, Bruker ProteoScape リアルタイムサーチエンジンと TIMScore™).

timsTOF SCPとnanoElute® 2 UHPLCシステムとの組み合わせにより、これまでにない感度を実現しました。80分のランタイム法(グラジエント長66分)とdia-PASEF®法(データ非依存的取得型パラレルアキュムレーションシリアルフラグメンテーション法)を用いて、1 ngのHeLaから約4000のタンパク質グループと22000以上のプレカーサーが同定されました。

ラベルフリーなシングルセルレベルのワークフローを実現する高感度性能

nanoElute® 2とtimsTOF SCPを使用すると、end-to-endのシングルセルラベルフリープロテオミクスワークフローを実現できます。nanoElute® 2は、セルソーターcellenONEで使用するラベルフリープロテオチップホルダーから直接注入することができます。このワークフローでは、最大144個のシングルセルをcellenONEからnanoElute® 2オートサンプラーに直接移し、ソーティングと調製を行った後、ピペット操作なしで、timsTOF SCPとTIMS-DIA-NNを用いた超高感度プロテオミクス解析に使用することが可能です。

ラベルフリープロテオチップを搭載したcellenONEとnanoElute® 2のホルダーを使用し、timsTOF SCPでの超高感度シングルセル解析とTIMS-DIA-NNによるBruker ProteoScapeでのデータ解析を行う全自動ラベルフリー シングルセルプロテオミクスワークフロー。
オートサンプラーバイアル(灰色)またはプロテオチップ(青色)から注入されたHeLa細胞消化物の異なるペプチド濃度(250 pg、1 ng、2 ng)を各ウェルに指定量ずつ繰り返し注入したところ(合計25分のランタイム)、タンパク質群(A)およびペプチド(B)レベルで優れた再現性が確認されました。

 

ラベルフリープロテオチップのウェルから直接注入したHeLa細胞消化物のペプチド250 pg、1 ngを1 μLに、2 ngを2 μLにピックアップして評価したところ、タンパク質群およびペプチド同定率に優れた再現性が示されました。ラベルフリープロテオチップとオートサンプラーバイアルからの注入は、異なるペプチド濃度および容量において、タンパク質グループおよびペプチド同定率において同等の結果を示しました。

「nanoElute LCシステムとtimsTOF Proの組み合わせは、他のプラットフォームと比較して、タンパク質IDを大幅に向上させることができました。優れたオーロラカラム分離と相まって、同重体のリン酸化ペプチドをクロマトグラフィー的に分離し、さらに明確なリン酸化基のアノテーションを可能にする一歩となりそうです。」

Frank Menke, Ph.D., Head of Proteomics at The Sainsbury Laboratory and honorary lecturer at the University of East Anglia, UK

「nanoElute 2 と timsTOF SCP の組み合わせにより、わずか 62.5 pg の HeLa 消化物から 1300 以上のタンパク質を再現性よく同定することができ、最も難しいプロテオミクスおよび免疫ペプチドミクスプロジェクトに最適なプラットフォームとなっています。」

Prof. Dr. Stefan Tenzer, Institute for Immunology, University Medical Center of the Johannes-Gutenberg University, Mainz, Germany

「nanoElute 2オートサンプラーは、私たちの臨床研究プロテオミクスパイプラインに重要な利点をもたらしています。LCの性能をモニターすることができ、ロボットプラットフォームから送られてくる96または384ウェルプレートを完璧にサポートしています。トリプシンペプチドは注入前にプレート内で直接溶解されるため、手作業を回避でき、ワークフローを効率化することができます。」

Henrik Johansson, Ph.D., Senior Scientist in Cancer Proteomics, Department Oncology-Pathology, Karolinska Institute, Solna, Sweden

Please add a Collection ID