材料に特定の電気的、光学的、熱的、トライボロジー的、不動態特性などを付与するための方法として、薄膜がよく利用されています。薄膜の作製方法には、蒸着やプラズマプロセスなどを用いる方法がありますが、これらの方法を用いて所望の特性を有する薄膜を得るためには、作製にかかわるパラメーターの制御および最適化が必要です。作製条件を決定するために薄膜の機械的特性やトライボロジー特性を評価することは、継続的な材料開発やプロセス開発を行う上で極めて有効です。
ブルカーは薄膜の特性評価のために、多彩なナノ機械的特性およびナノトライボロジー特性評価技術を開発しました。様々な環境条件下で薄膜の弾性率、硬度、破壊靭性、クリープ、応力緩和や粘弾性特性を定量的に測定するために様々なナノインデンテーション技術が利用可能です。高精度の測定位置制御技術と機械的特性の深さプロファイリング機能を組み合わせることで、薄膜の構造、特性、処理および性能と機械的特性の関係を包括的に理解することができます。また、特許取得済のモデルを用いた解析ソフトウエアパッケージ(オプション)を用いることで、ナノインデンテーションデータから基板の影響を取り除き、薄膜固有の弾性率値を算出することもできます。さらに、特許取得済の2D静電容量型トランスデューサーを用いることで、信頼性の高いナノスケールのトライボロジー特性評価と定量的な薄膜界面接着特性評価を実施可能です。