法医学的ガラス分析

ブルカーは、法医学者が迅速かつ正確にガラスの特性を把握し、さらなる分析に向けて証拠を保全するためのさまざまな分析ツールを提供しています。

なぜ法医学にとってガラス分析が重要なのか?

法医学的ガラス分析では、犯罪現場などで発見されたガラスの破片を比較し、それらが共通の起源を持つかどうかを判断します。証拠として使用できる信頼性の高い比較データは、精密かつ正確な組成の特性評価によって決まります。

マイクロXRFを用いた科学捜査におけるガラスの特性評価と同定

ガラスは様々な用途に使用されるため、様々な形状や組成で製造されています。犯罪の過程で割れたガラスは、犯罪現場に残されたり、他の物や衣服に付着することがあります。ガラスを分析することにより、法医学者や警察は、捜査中に回収したガラスの破片を容疑者と関連付けたり、さらなる調査から証拠品を除外したりすることができます。マイクロXRF(μXRF)や走査型電子顕微鏡のような微量分析技術は、ガラスの元素特性を迅速かつ非侵襲で解析することが可能です。

ブルカーのM4 TORNADO卓上型マイクロXRF装置は、最小限の試料で迅速な組成分析が可能です。この非破壊技術は、マイクロメートルオーダーの空間分解能での組成マッピングを行い、法医学的ガラス分析で対象とする元素の完全な特性評価を可能にします。ガラス片分析は、マイクロXRFを用いた法医学用ガラス分析のための規格ASTM E2926に準拠し、事前スクリーニングのための純粋な定性分析、完全定量分析、または半定量法の適用を実施することができます。

ここでは、サイズと組成の異なるガラス片をM4 TORNADOでマッピング測定した例を紹介します。このマップは、ガラスの信頼性の高い分類と異なる元素比率の計算(ここではX線マップの異なる色に反映)が、1mm以下の破片でも可能であることを示しています。

小さなガラスの破片を炭素粘着テープを貼り付けた試料台に置き、複数の試料を迅速に分析した結果。複数の試料の分析データを1つの元素マップにまとめて表示。データをマイニングして定量や元素比率を算出することも可能。上段:可視イメージ、下段:μXRF元素マップ。

その他の法医学分析ソリューション

ポータブル蛍光X線分析装置
ブルカーのTITANおよびCTX XRFは、固体および液体のMgからUまでの元素分析を、現場で迅速に行うことができるモバイルソリューションです。材料の迅速な同定や定量的な組成分析に使用されます。

全反射蛍光X線分析装置
全反射蛍光X線分析装置S2 PICOFOXとラボ仕様のS4 T-STARは、複雑な設備を必要とせず、液体と固体の元素分析をサブppbの検出限界まで行うことができます。

FT-IRおよびラマン分光法
現場やラボでの分析に適したコンパクトで強力な分光計を取り揃えており、迅速に信頼性の高い化学分析を実現します。

FT-IRおよびラマン顕微鏡
微小化学分析のために、赤外顕微鏡とラマン顕微鏡の包括的なポートフォリオを提供しており、微量な痕跡や、脆いまたは敏感な証拠品の分析に対応しています。