磁気ナノ構造のマッピング

このCs 補正されたHAADF 画像は、STEMでの調査のために準備されたいくつかの SiO2 球の概要を示しています。含まれている元素の原子番号が高いため、HAADFコントラストでは磁性層がSiよりもはるかに明るく見えます。

このサンプルは、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)のnmの層の上にコバルト(Co)、白金(Pt)、クロム(Cr)および酸素(O)の混合物でコーティングされたSiO2の球体です。収差補正HAADF画像から明らかなように、最上層はハリネズミの様な構造をしています。従来のSTEM中のEDSを使用すると、元素の位置を特定し、層状構造のより鮮明な画像を得ることができました。例えば、この迅速な測定の統計を改善するために、8 x 8のビニングを使用してマップを定量化した後、RuとTaからなるシード層を区別するのは非常に簡単です。混合元素マップにより、機能性磁性層の特性および製造プロセスにとって非常に重要な多くの結論を得られます。

a) CoとPt は最上層に均等に分布します。

b) CoおよびPtは単結晶のベースで閉じた膜を形成し、磁気接続とスイッチング動作を引き起こします。

c) Crは構造の表面に集中しているように見えます。

APLに掲載されたCs補正STEMでEELSを使用した高解像度マッピングは、Cr酸化物がこのハリネズミのような構造の単一のPt-Co結晶の外側部分を互いに分離していることを示しており、磁気異方性がデータストレージなどのデバイスアプリケーションに使用できることを示しています。(Magnetic hedgehog-like nanostructures, C. Brombacher, M. Falke, F. Springer, H. Rohrmann, A. Goncharov, T. Schrefl, A.Bleloch, M. Albrecht Appl. Phys. Lett. 97, (2010) 102508. DOI: 10.1063/1.3486679)