Terahertz分光法

Terahertz分光法

テラヘルツ(THz)光、遠赤外光(FIR)などと呼ばれるこの光には、ユニークな特性があります。数多くの一般的な物質や組織はこの光に対して半透明であり、テラヘルツ領域に特徴的な信号を示すため、テラヘルツ分光は試料の識別や定性分析において非常に有用です。

 

Terahertz分光法には、様々な分野において高い関心が寄せられており、多形解析、高分子科学、無機化学、ガス分光、固体物理、半導体物理、薬理関連研究などはその代表例です。従来のFT-IR分光法とTerahertz分光法を組み合わせることで、試料の特性についてさらに深い洞察が得られると期待されています。

VERTEXシリーズFT-IR分光計はTHz/FIR領域への拡張が可能で、とくにVERTEX 80vでは5 cm-1(~0.15 THz)の遠赤外領域まで測定域の拡張が可能です。ただし測定に十分な感度と波数分解能を得るためには液体ヘリウム冷却式ボロメータ検出器が必要となる場合があります。この問題は、VERTEX 80v真空型分光計に新たに用意されテラヘルツ拡張オプション verTera を用いることで解決することが可能です。verTera 機能を追加することで、研究開発用FT-IRとして高い評価を得ているVERTEX 80vが、世界初のFTIR/cw-THzハイブリッド分光計としてパワーアップします。煩雑なハンドリングと高いコストが求められる寒剤による冷却を必要とすることなく、3 cm-1/0.09 THzという極限の分光領域まで拡張が可能です。