関連する内因性および外因性の代謝物を含む質量スペクトルライブラリは、 自動デレプリケーションのためのMS / MSスペクトルの実測値と照合することができます。 これらのスペクトルライブラリに含まれる化合物の数は重要で、近年その数は増加傾向にあり、それに伴い同定可能な既知の代謝物も増えてきました。
これは、たとえば、Bruker MetaboBASE Personal Library 2.0の新バージョンに反映されています。:
生態系で起こる変化を研究するための内因性および外因性代謝物に加えて、ジペプチドおよびトリペプチドを含み、化合物ライブラリにおいてよく知られるMETLIN由来の14,000を超える合成標準試薬もしくは精製標準試薬のMS / MSスペクトルが入っています。
メタボロミクス研究の権威であるGary Siuzdak教授とPaul Benton博士は、Bruker QTOFシステムを用いてMS / MSスペクトルの収集を行われました。 すべてのスペクトルは、Positive、Negative両方のモードで、コリジョンエネルギーを変えて測定され、低品質スペクトルは廃棄されております。
このライブラリには、233,000種類以上の化合物について、10,20および40 eVのコリジョンエネルギーで測定したIn-silicoのMS / MSスペクトルが収められており、現在は十分な純度を持つ標準試薬が入手できないターゲットの迅速な同定を実現します。
スペクトルデータには、ほとんどの物質のInCHi、SMILES、CASと別名などが記載されています。 データベースIDとHMDB、METLIN、PubChemなどの外部データベースへのハイパーリンクにより、同定された代謝物を生物学的な状況に迅速に照らし合わせることができます。
*METLIN™ is a trademark of THE Scripps Research Institute.
スペクトル数だけではなく、ライブラリに含まれるデータの質も、信頼性の高い同定には非常に重要になります。
Bruker HMDB Metabolite Library 2.0に含まれるすべてのスペクトルは人の手により検査され、ノイズの多いスペクトルやコンタミピークは除外されております。 プリカーサーイオンおよびフラグメントイオンの質量数は、理論値および同位体パターンとよく一致しております。 Bruker HMDB Metabolite Library 2.0に記載のデータ十分は、標準試料を使用して取得しております。 すべての化合物は、5つの異なるコリジョンエネルギーにおいて、 impact series QTOF高分解能質量分析計で測定しました。
このスペクトルライブラリの2番目のバージョンは、Human Metabolome Database(HMDB)から選択された800種類以上の化合物に対して、6000以上のMS / MSスペクトルが収められています。 尿、血液およびその他の生体液などに見られる代謝物同定の信頼性を高めるために、逆相LCの約600代謝物の保持時間情報に直交情報をさらに追加しました。
Bruker HMDB Metabolite Libraryは、Brukerによって提供されたもので、カナダのUniversity of AlbertaのLiang Li教授とDavid Wishart教授およびDavid Wishart教授のチームと協力して作成されました。