コーティングされたリチウムイオン電池正極材料のEDS分析

 リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(NCM)粒子はリチウムイオン電池の正極材料として使用されています。この例では、原子層堆積(ALD)によってチタン(Ti)コーティングしたNCM粒子を使用しました。コーティングの均一性は容量維持率を研究する際に重要です。SEM像やTEM像でチタン層とベース材料を区別することは困難ですが、コーティングの分布はEDS元素分析によって確認することができます。

 ミクロンサイズ粒子の表面を分析するために、FIB-SEMで断面加工を行いました。ここでは試料の同一箇所をSTEM-EDSとSEM-EDSで分析した結果を比較します。SEMとSTEMの比較測定には従来型のXFlash® 760 EDS検出器を使用し、SEMでの測定ではさらに環状配置のEDS検出器 XFlash® FlatQUADとの比較を行いました。

 膜厚 20 - 30 nmのチタンコーティングの均一性は、TEM-EDS分析だけでなく従来型の XFlash® 760を使用したSEM-EDS分析でも確認することができます。 XFlash® FlatQUAD 検出器を使用した元素マップでは、 同じ測定時間で従来型のSEM-EDSと比較してはるかに高いデータ品質を達成しました。環状配置検出器の大きな検出立体角により15倍の速度で同じデータ品質が得られます。

TiコーティングされたNCMリチウムイオン電池正極材料粒子の断面のEDS元素分析の比較。a) HAADF像およびSTEM-EDS b) 従来型SEM-EDS c) 環状SEM-EDS(XFlash FlatQUAD) Image and sample courtesy of Michael Malaki, Shamail Ahmed; Material Science center, Faculty of physics, Philipps University Marburg