FT-IR 分光法用ソフトウェア OPUS

OPUSパッケージ:SEARCH と IDENT

OPUSパッケージ

OPUS/SEARCH

スペクトルのライブラリ検索機能は、未知試料を同定するための典型的なアプローチです。

OPUS 7.5ソフトウェアのリリース以降、SEARCHパッケージが全面的に刷新され、魅力的な設計を採用するとともに、利便性が大幅に向上しました。混合物分析や、自動差分検索などの新機能により、特に多成分スペクトルの同定能力が向上しました。
スペクトルライブラリ内のシンプルな情報検索に加え、ヒットしたライブラリデータに関する自動インターネット検索により、同定結果を最大限に活用する快適な方法が提供されます。通常、分析結果はレポートに文書化される必要があることから、すべての検索結果を分かりやすい形態の分析レポートに抽出することができます。

特長:

  • スペクトル検索:ブルカー独自のアルゴリズムを用いた、測定したスペクトルとライブラリスペクトルの比較。
  • 自動差分検索:試料のスペクトルとライブラリでヒットしたスペクトルとの自動差分計算を行い、その残差スペクトルについて再度ライブラリ検索を実行。
  • 混合物分析:混合物スペクトルに含まれる個々のコンポーネントを同定し、その比率を定量化。試料のスペクトルと検索結果より合成された複合スペクトルとの差分結果より一致度を視覚化。
  • ピーク検索:指定したピークの波数位置およびその許容幅、強度などによる検索。ピークの指定は、単一または複数成分の参照スペクトルを元に直感的なピークピッキングにより実行。
  • インターネット検索:ライブラリスペクトルのテキスト情報に含まれる用語のオンライン検索。
  • 情報検索:テキスト情報に含まれる文字や数字による直感的な検索。特定の情報を正確に見つけ出すための高度なオプション検索設定も用意。
  • ユーザスペクトルライブラリの作成と編集:ユーザは簡単な手順に従ってライブラリを作成することができます。コピー&ペーストで外部プログラムからテキスト情報をインポートすることも可能。
  • 構造検索:化学構造式による検索(OPUS/STRUCTUREパッケージが必要です)。
  • 豊富なスペクトルライブラリ:ブルカーライブラリに加え、エス・ティ・ジャパン、サドラー、FDMなどから提供されるライブラリを利用可能。
OPUSパッケージ

OPUS/IDENT

原料、中間品、完成品の同一性の基準の確立は、数多くの産業において重要なタスクとなっています。品質管理ラボの一般的な1つの機能として、試験を通した規制への適合やコスト削減を理由に、これらの基準が満たされている状態を確保しなければなりません。

実際には、誤ったラベル表示や汚染した原料の混入が、多大なコストの発生につながることがあります。例えば、製品の手直しや廃棄にかかるコスト、製造にかけた無駄な時間が発生してしまいます。OPUS/IDENTは、数多くの多様な材料を含む判別ライブラリを、容易に構築することが可能な強力な解析ツールです。

高度なアルゴリズムと階層分類構造により材料の同一性を確認し、これが統計的な変化の許容範囲内にあるかを確認できるほか、類似した他の材料と区別することもできます。完全なIDENTメソッドは、QC環境において容易に実行できるように単一のメソッド内に組み込まれています。

IDENTの主な特長:

  • 材料が数百点にも及ぶ場合でも簡単にメソッドを作成可能。
  • 階層構造とライブラリ構造による多段階評価。
  • 同じ分析手法で測定されたすべての材料については、1つの共通ライブラリを作成可能。例えば、固体用、液体用のように各々のライブラリを作成。
  • 重複するグループについては、推奨サブライブラリ構造を1クリックで作成。
  • 個々の材料を分離したクロスバリデーションによる内部検証が可能。
  • メソッドのパフォーマンスを実証するために、独立した試料を用いたテストセットバリデーションによる外部検証が可能。
  • スペクトル前処理や因子分析、2Dや3Dのスコアプロットに関するガイダンスなど、豊富なアルゴリズムを用意。
  • 化学的に類似性が高く判別が困難な場合には、サブクラスの構築が可能。
  • 判別結果と適合性試験、または定量解析を組み合わせたマルチ解析。
  • 21CFR11の要求に準拠した専用機器と電子署名に関するメソッドファイルの保護。
 

 

適合性試験

 
OPUS / IDENTパッケージの一部である適合性試験では、許容範囲内であると判断された原料のロット間のスペクトル変動を利用して、各スペクトルデータポイントで合格/不合格の閾値を定義します。 新しい原料のスペクトルが、個々の材料で確立されている閾値内にある場合は合格となります。 閾値に納まらないスペクトルが現れた場合は、疑わしい材料として不合格となります。
 

適合性テストの主な特長:

  • シンプルな設定画面とグラフィックプロットによりメソッドの設定が容易。
  • 外部テスト用スペクトルデータセットを用いて最適化されるメソッドバリデーション。
  • 閾値感度が調整可能な3種類の統計指標。
  • 判別テストや定量解析などとの組み合わせが自由なマルチ解析。