アプリケーション例 - 磁気共鳴

食品・飲料へのNMRの使用

それは食品産業の悪夢でした。中国産乳製品のメラミン汚染は、ごく一部の既知の汚染物質だけしか検査しないスクリーニング手法のせいで、検出されずに見落とされてきました。後に(禁止されているにもかかわらず)同様の偽装が、卵やペットフードでも見つかりました。2013年にヨーロッパの牛肉製品に豚肉や馬肉が混入していた事件にも表れているように、食品の汚染や偽装は全世界に衝撃を与える可能性があります。

これを防止するためには、品質保証業務の一環として非標的型スクリーニング法を実施する必要があります。必要な投資と時間や資源の制約のバランスを取るには、コスト効率が高く有益なアプローチが必要です。核磁気共鳴(NMR)分光計は、主要な既知の成分と想定外の汚染物質や混和物の検出、特定、定量化を、すべて同じスキャンセットの中で組み合わせて行うことができます。

NMRの有用性

これらのNMRを使った標的型・非標的型の食品検査の例で、スクリーニングの迅速さとその結果の信頼性の高さを確認してください。

食品の品質と栄養成分のプロファイリング

  • 広範囲に及ぶNMRスペクトルのデータベースで、食品の真正性、純度、偽装に関するスクリーニングを強化
  • 1H-NMRスペクトルが再現可能な食品のフィンガープリントを提供
  • NMRは、乳製品代替品に含まれるごく微量のラクトースも迅速に評価可能

偽装、混入、汚染の発見

  • NMRの技法により食品の真偽を見分ける
  • 1回のNMR法で既知・未知を問わずあらゆる種類の逸脱を検出

賞味期限のモニタリング

  • 食品中の水分率の測定

油脂の分析

  • ベンチトップ時間領域NMRシステムにより、容易で頑健、再現性のある固体脂含量測定が可能

NMRの強み

NMRは、サンプルの組成や成分濃度を非破壊状態で直接、高い確度と効率で測定します。

  • サンプルあたりのコストが低い
  • 必要なサンプル調製が最小限で済む
  • 化合物の同定と定量化が同時にできる
  • ターゲット分析とノンターゲット分析を組み合わせることにより、期待される成分が含まれ汚染や偽装がないことを確認できる
  • 標準化され検証済みの手順により、オペレーターやラボが異なっても一貫性とコンプライアンスを確保できる
  • 高度な統計モデルにより産地の真正性、種の純度、製造工程管理、サンプルの類似性などの評価が可能


NMRの仕組み: 簡素化、小型化、高速化

ソフトウェアとハードウェアが進化したことで、処理が簡素化されるとともに、より狭いスペースにシステムが設置できるようになっています。スイッチ一つで動く完全自動のNMRベースのフードスクリーナー と検証済みの手法 により、食品・飲料の検査業務が合理化され、信頼性と再現性の高い結果が得られます。

ハイスループットな全自動手法により、NMR分光計は以下のような製品の品質管理において資源効率の高いソリューションとなっています。

  • ジュース
  • 蜂蜜
  • ワイン

分析業務におけるデータ収集、分析、報告を自動化することで時間と手間を削減します。

NMRは、食品に期待される成分と想定外の成分の両方を検出します。この1H-NMRの例は、蜂蜜に米由来のシロップが混入していることを示しています。蜂蜜プロファイリングのページもご参照ください。

Example NMR spectrum showing honey sample adulterated with rice-syrup.