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EPRによる活性酸素種(ROS)や活性窒素種(RNS)の検出

ROSは半減期が非常に短いため、溶液中のROSを室温で直接検出することは極めて困難です。常磁性種を直接検出できる唯一の手法が電子常磁性共鳴法(EPR)です。EPRが効果的な役割を果たした研究の論文をご紹介します。

ROS検出―癌の場合

モクレン抽出物の抗癌作用が示された詳細な研究

ホノキオール(HNK)は、マグノリア・オフィキナリスの樹皮から採れる有望な抗癌剤です。この研究ではHNKが、前立腺癌の癌細胞で細胞保護性のオートファジーを引き起こしたと結論づけられており、この天然薬剤の抗癌作用を高める可能性が示されています。前立腺癌の細胞(PC-3)にEPRを使ってROSを検出する際には細胞透過性のスピンプローブ(CMH)が用いられました。手法についてはここをクリック

ROS検出―腫瘍の場合

腫瘍への酸素供給を標的にした「ラジカル」阻害剤

酸化窒素(NO)と活性酸素種(ROS)は、内皮細胞の増殖や生存などの血管新生関連事象の内因性レギュレーターですが、これらの異常や不均衡は癌に関連します。NS1という新しい光活性阻害剤は、NOと酸化還元ストレスを調節して血管新生の抑制に大いに力となりうる可能性があります。

ここをクリックすると、マウスから取り出して輪切りにした大動脈に、酸化窒素を検出しスーパーオキシド濃度をモニタリングするために用いたツールをご覧いただけます。

ROS検出―糖尿病の場合

マウスの研究でこれまでの糖尿病発症原理説をノックアウト

世界中で年間新たに600万件を超える症例が報告される2型糖尿病(T2DM)は、経済的にも医療面でも克服すべき疾患です。最近の研究からは、インスリン抵抗性の基礎的遺伝要素として、ミトコンドリア酸化的リン酸化(OxPhos)の変化が注目されています。

ここをクリックすると、EPR分光法を使ってミトコンドリアROS産生を直接簡便に測定する方法をご覧いただけます。

ROSの検出―アルツハイマーの場合

アルツハイマー病のアミロイドプラークの凝集へのUV照射の効果

Cu2+ とAβペプチドの異常な結合が可溶性のAβオリゴマーとROSの形成につながり、アルツハイマー病発症で不可欠な役割を担っていることを示す証拠が、ますます増えています。UV光を照射すると、Cu2+ 結合 Aβ42 凝集体の毒性は、キレート剤での処置の有無にかかわらず顕著に増大します。

ここをクリックすると、暗所でインキュベートしてUV光を照射した凝集体によって産生されたROSを、EPRで検出する方法をご覧いただけます。

ROSの検出―酵素の場合

線維性疾患をその端緒で検知する: 酵素

酵素のNoxファミリー(Nox1~5、Duox1と2)とミトコンドリア電子伝達系酵素は、スーパーオキシドラジカルアニオン(O2⨪)や過酸化水素(H2O2、関連する酸化体等とともに、細胞の活性酸素種(ROS)の主要な発生源です。

Nox関連の炎症性疾患の一例を挙げると、急性呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、虚血性心不全等)や移植の際に発生する再灌流傷害などがあり、この新しい標的に対応する薬剤の開発が必要となっています。Nox酵素は、ヒトと実験動物モデルで疾患の要因としての証拠が積みあがってきている有望な治療標的です。

ここをクリックすると、EPRが、細胞中のスーパーオキシドの産生を検知するためにいかに使いやすいかがご覧いただけます。

ROS検出―漢方の場合

糖尿病関連酸化ストレスに対するQing Huo Yi Haoの抗酸化作用

漢方製剤Qing Huo Yi Hao (QHYH)は、多量のグルコースで処置した内皮細胞の、スーパーオキシドアニオン除去に強い力を発揮する抗酸化剤であることが示されています。

ここをクリックすると、EPRがその発見に果たした役割をご覧いただけます。

ROS検出―虚血性心不全の場合

虚血性心不全のアポトーシスと酸化ストレス

広範な研究から、基礎病変の進展に関与する主な経路には、毒性や酸化ストレス、炎症、細胞死(壊死とアポトーシス)にあることが認識されています。

ここをクリックすると、これらの多様な傷害機序に対する多剤療法に、EPRがどのように寄与するかをご覧いただけます。

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