超高磁場 磁気共鳴イメージングの必要性

現在、臨床MRIシステムの多くが、1.5 Tや3 Tという控えめの磁場強度で稼働しています。一方小動物イメージングの場合、より小さな構造を人の場合と同様に可視化するための高解像度に対するニーズが極めて高くなっています。感度は磁場強度と共に向上するため、前臨床では7 Tや9.4  Tの磁場強度が標準となっています。これを上回る11.7 Tから21 Tの範囲の前臨床 超高磁場 (UHF) システムは、最も高感度が求められる特殊なアプリケーションに対応します。超高磁場を受信専用アレイコイルやMRI クライオプローブなどと組み合わせることで、最も要求レベルの高いアプリケーションでさえも実現可能となります。

UHF MRIの利点は、磁場強度の増加に伴う感度上昇のみに留まりません。UHF MRIは新たなイメージング手法やアプリケーションの可能性を広げます。例えばケミカルシフトの広範化、BOLD (Blood Oxygenation Level Dependent) 法のコントラスト増大、低磁場とは異なる緩和時間、磁化率効果の増大等により、MRS (MR Spectroscopy), BOLD fMRI (Functional MRI), CEST (Chemical Exchange Saturation Transfer), SWI (Susceptibility weighted Imaging), QSM (Quantitative Susceptibility Mapping) などの手法で大きな恩恵が得られます。

つまりUHF MRIによって、生物学的プロセスを理解する上での全く新しい道を切り開くことができるのです。