X線回折装置(XRD)

D8 ENDEAVOR

プロセス管理・品質管理を指先ひとつで

オートメーション対応X線回折装置

迅速な試料搬送

柔軟性の高いサンプルハンドリング

66/72
業界標準サイズサンプルホルダー
多様な種類・量のサンプルを個々のサンプルホルダーに充填し、2種類の大型マガジンを用いたマニュアルオペレーション
オンライン
ベルトコンベアーまたはロボット対応サンプル搬送
サンプル調製、測定、データ評価の自動化により、高スループットと一貫性を両立した分析結果を実現
EasyLoad
サンプルトレイ
試料前処理やブルカー製元素分析装置からのサンプルの移動や装填に便利なRFID搭載トレイ
回折角度、広い2θ範囲、角度分解能などの標準的なアライメント保証を提供
ブルカー独自のアライメント保証

D8 ENDEAVORのビデオを見る

D8 ENDEAVORは、工業プロセスの最適化や品質管理などの粉末アプリケーションに対応した最先端のX線回折(XRD)システムです

粉末XRDアプリケーションに特化

D8 ENDEVOR - オートメーション対応X線回折装置

D8 ENDEAVORは、シンプル操作、すぐれた検出加減と高速測定の両立、高速サンプル搬送を実現するX線回折装置です。この装置は、産業界、教育機関、研究機関などの幅広いユーザーの要求に対応します。工業プロセスの最適化や品質管理のために、D8 ENDEAVORは自動サンプル前処理システムに接続することができ、オペレーターの操作なしでサンプルを供給することができます。これにより、サンプル前処理と搬送に対し完全性、均質性、品質が保証されます。

本分析装置は、様々な実験室や設置環境条件に適合します。

  • 1 kW ECOバージョン - 省エネ、単相電力、外部冷却水不要で低ランニングコスト
  • 3 kWバージョン – すぐれた検出下限と定量下限、および高速スループットを実現
  • 過酷環境オプション - 高温、高湿、粉じん発生環境を想定した信頼性の高い設計
  • 高地対応オプション - 上空4000mまでの運転に対応する冷却および電気的安全性を確保

D8 ENDEAVORはどんな環境にも対応し、すぐに使用可能です。

最高のパフォーマンス – オペレーターの負担も最小限

D8 ENDEAVORは、24時間365日の過酷な作業のために作られただけではありません。カバーの下には、最高の分析要求を満たすための鍵となるブルカーの最先端XRDテクノロジーが搭載されています。

  • DBO (Dynamic Beam Optimization) – オペレーターによる装置の再設定は必要ありません。電動光学系が、ビームパス形状を様々な材料に最適な条件へ自動的に設定します。
  • LYNXEYE検出器シリーズ – 最高のデータ品質とすぐれた検出下限の両立を実現します。過去に類のないLYNXEYE XE-T検出器は、白色線とサンプル由来の蛍光X線を効率的に除去し、高い計数率とすぐれた角度分解能を実現しています。また、受光側モノクロメーターやKßフィルターは不要です。
  • サンプル搬送 – 分析中に測定済みサンプルを取り出し、次のサンプルをセットすることで、効率的なサンプル搬送を実現しています。測定中であってもX線は適切に遮蔽されるため、サンプルチェンジャーに新しいサンプルを投入しても、被曝のリスクはありません。

XRDの専門家だけではなくオペレーターにも使い易く設計されたD8 ENDEAVOR。

  • TouchControlとローダー – 簡単かつ直感的な操作方法が、オペレーター向けトレーニングを最小限に抑えます。ソフトウェアに表示されたサンプルの位置に、分析条件(メソッド)を割り当てるだけです。
  • Push Buttonテンプレート – 装置管理者またはブルカースペシャリストが作成した分析テンプレートを利用できます。サンプルロード、装置設定の指定、測定の実行、自動データ評価実行、そして最終的にRESUTS MANAGERでの分析結果の表示というワークフロー全体を組み込んだテンプレートです。

テーラーメイド分析ソリューション

セメント、鉱物、製薬、アルミニウムおよび金属産業分野向けにパッケージ化されたD8 ENDEAVORをラインナップしており、導入後速やかに立ち上げることができます。

D8 ENDEAVORは、以下をご提供しています。

  • Build-to-Order: 産業別の特定要件に適した装置構成
  • 最適化された測定および評価パッケージ
  • 業界に特化したアプリケーションのトレーニングとサポート
D8 ENDEAVORアプリケーション

セメント

TOPAS Rietveld解析を組み込んだXRDは、ホットミール、塩素バイパス、キルンダスト、クリンカーおよびセメントの相定量分析に対して、もっともパワフルな評価アプローチです。

D8 ENDEAVORとセメントXRD Methodパッケージの組み合わせは、セメント産業にとって完璧なソリューションです。

結晶相を直接観察できるXRDは、全体の製造プロセスに沿って原料、ホットミールやダストのような中間生成物、クリンカーやセメント最終製品の範囲にまで網羅します。分析のハイライトとしては、Aliteの結晶多形であるM1とM3を区別する機能と、PONKCS法によって非晶質相の定量分析が行える機能です。

D8 ENDEAVORアプリケーション

鉱物

鉱物の同定と定量化の最も直接的な方法は、D8 ENDEAVOR Mineralsによる粉末X線回折(XRD)です。

複雑な地質物質は、TOPASの定量分析を用いて確実に分析することができます。

さらに、クラスター分析技術を使用して、大量のデータの類似性を迅速かつ自動的に分析し、探査マッピングを生成することができます。

D8 ENDEAVORアプリケーション

金属

粉末X線回折(XRD)は、製鉄のプロセスおよび品質管理の分析手法として広く用いられています。

原料中の正確なFeO濃度を知ることは、製鉄工場の温室効果ガス排出削減のキーとなります。

鉱物の化学量論と濃度からFeO量を直接計算することができます。これらの値は、XRDによって決定されるため、滴定に代わる非常に迅速な方法となります。

D8 ENDEAVORアプリケーション

アルミニウム

アルミニウムの生産管理は、X線回折(XRD)による分析工程がきわめて重要です。

第一にXRD装置は、精錬現場の過酷な環境に設置することが必要になります。 そして第二に、常に数百の精錬セルを連続的に評価するという膨大なサンプルスループットが要求されます。

D8 ENDEAVORは、これらの要求に対して、測定時間の削減と分析能力の拡大という技術的革新をご提供します。

D8 ENDEAVORアプリケーション

遊離けい酸(吸入性結晶質シリカ)

D8 ENDEAVORは、肺がんやその他の深刻な健康問題の原因となる遊離けい酸(吸入性結晶質シリカ)濃度をモニターするのに最適です。

LYNXEYE XE-T検出器を搭載したD8 ENDEAVORを使用すると、最高の精度とすぐれた検出下限を両立することができます。

遊離けい酸の課題を解決するため、ブルカーは様々なフィルタータイプに適したサンプルホルダーとDIFFRAC.DQUANTソフトウェアを用いた検量線定量メソッドを提供しています。これはNIOSH 7500に準拠しており、必要に応じて検量線の校正も可能です。

D8 ENDEAVOR仕様

 

仕様

メリット

X線発生装置

3kW

1 kW ECO

高速スキャン、すぐれた検出・定量下限

低消費電力、単相電源、外部冷却水不要

サンプルハンドリング

66サンプルマガジン(51.5mm径ホルダー用)または72サンプルマガジン(40.0mm径ホルダー用)

20サンプル用EasyLoadトレイ (51.5mm径ホルダー用)

ロボットまたはベルトコンベアーによるサンプル搬送

業界標準サイズ。自動サンプル調製やさまざまな自動化システム対応

サンプルのオフラインマニュアル搭載可能

オペレーター操作を必要としない自動装置制御

光学系

DBO (Dynamic Beam Optimization)

電動光学系による最適な測定条件を自動指定

メソッドに統合されたXRDノウハウ

 

電動制御散乱防止スクリーン (MASS)

空気散乱によるバックグラウンド上昇を抑え、ピーク/バックグラウンド比を改善し、検出下限と定量性を向上

Push Button操作

ローダーソフトウェアとタッチコントロール

最小限のトレーニングですぐに運用可能

検出器

Caチャネル (XRF)

SSD160-2

LYNXEYE-2

LYNXEYE XE-T

(*) 検出器保証

Al生産管理のための元素分析チャネル

160チャネル搭載 高速Si半導体1D検出器

超高速1D検出器(*)

超高感度、高エネルギー分解能1D検出器 (*)

デッドチャネルなし

ゴニオメーター

試料水平θ-θ配置

サンプルは常に水平に保持され、測定中の脱落なし

測定範囲全体でΔ2θ≦0.01°の独自アライメント保証、付属の認証標準物質NIST Al2O3でトレーサブル

安全性

ドイツPTB安全規格

CE コンプライアンス

最高標準の安全性

機械指令 (2006/42/EC)、低電圧指令 (2014/35/EU)、EMC指令 (2014/30/EU)

D8 ENDEAVORサンプルホルダー

D8 ENDEAVORは、さまざまな種類やサイズのサンプルを同時に扱うことができるため、試料調製の手間を最小限に抑えられます。サンプルホルダーをマガジンから測定位置である回折計中心に移送するグリッパーは、厚みの異なるサンプルホルダーを自動的に検出・認識します。

  • 業界標準の51.5mm径または40.0mm径サンプルホルダー
  • サンプル量に応じたバラエティに富んだ溝径や溝深さを有するサンプルホルダーシリーズ
  • 選択配向の影響を低減できるバックローディング型ホルダー
  • 微少量サンプルに最適な低バックグラウンドホルダー
  • フィルターサンプル、粘土鉱物、バルク、反応性サンプルなどに適したスペシャルサンプルホルダーシリーズ

測定・解析ソフトウェア

DIFFRAC.SUITEソフトウェアパッケージは、すべての機能を備えた妥協のないソフトウェアパッケージで、対話式インターフェースにより簡単に測定条件(メソッド)を作成でき、もっともパワフルで正確な分析結果を提供します。必要に応じて、21CFR Part11に準拠することも可能です。測定用のDIFFRAC.SUITE MEASUREMENT CENTER、一般的なXRDデータ解析やクラスター解析、結晶相定性分析用CODデータベースを含む解析用のDIFFRAC.EVAは、標準2ライセンス、大学・高専ユーザー向けに10ライセンスをご用意しています。追加ライセンスはオプションでご選択いただけます。DIFFRAC.DQUANTは検量線に基づく業界標準に準拠した分析手法をご提供し、DIFFRAC.TOPASは10相を超えるような複雑な多相混合物の定量に威力を発揮し、いずれも正確な分析結果を導き出します。

工業用のプロセス管理や品質管理に最適なD8 ENDEAVORは、完全自動化定量(Black Box Quantification)を実現するTOPAS BBQと連動することができます。また、建材分析用専用パッケージも提供しており、当社のセメントアプリケーションの専門家が用意した10種類の分析メソッドをすみやかに実行できるようになっています。DIFFRAC.SUITEソフトウェアパッケージは、測定結果をファイルまたはデータベース内で取り扱うことができ、RESULTS MANAGER上でマルチサンプルレポートや経時モニターを行う機能を有します。

サービス&サポート

コンタクト