オートメーション対応X線回折装置
迅速な試料搬送
D8 ENDEAVORは、シンプル操作、すぐれた検出加減と高速測定の両立、高速サンプル搬送を実現するX線回折装置です。この装置は、産業界、教育機関、研究機関などの幅広いユーザーの要求に対応します。工業プロセスの最適化や品質管理のために、D8 ENDEAVORは自動サンプル前処理システムに接続することができ、オペレーターの操作なしでサンプルを供給することができます。これにより、サンプル前処理と搬送に対し完全性、均質性、品質が保証されます。
本分析装置は、様々な実験室や設置環境条件に適合します。
D8 ENDEAVORはどんな環境にも対応し、すぐに使用可能です。
D8 ENDEAVORは、24時間365日の過酷な作業のために作られただけではありません。カバーの下には、最高の分析要求を満たすための鍵となるブルカーの最先端XRDテクノロジーが搭載されています。
XRDの専門家だけではなくオペレーターにも使い易く設計されたD8 ENDEAVOR。
セメント、鉱物、製薬、アルミニウムおよび金属産業分野向けにパッケージ化されたD8 ENDEAVORをラインナップしており、導入後速やかに立ち上げることができます。
D8 ENDEAVORは、以下をご提供しています。
TOPAS Rietveld解析を組み込んだXRDは、ホットミール、塩素バイパス、キルンダスト、クリンカーおよびセメントの相定量分析に対して、もっともパワフルな評価アプローチです。
D8 ENDEAVORとセメントXRD Methodパッケージの組み合わせは、セメント産業にとって完璧なソリューションです。
結晶相を直接観察できるXRDは、全体の製造プロセスに沿って原料、ホットミールやダストのような中間生成物、クリンカーやセメント最終製品の範囲にまで網羅します。分析のハイライトとしては、Aliteの結晶多形であるM1とM3を区別する機能と、PONKCS法によって非晶質相の定量分析が行える機能です。
鉱物の同定と定量化の最も直接的な方法は、D8 ENDEAVOR Mineralsによる粉末X線回折(XRD)です。
複雑な地質物質は、TOPASの定量分析を用いて確実に分析することができます。
さらに、クラスター分析技術を使用して、大量のデータの類似性を迅速かつ自動的に分析し、探査マッピングを生成することができます。
粉末X線回折(XRD)は、製鉄のプロセスおよび品質管理の分析手法として広く用いられています。
原料中の正確なFeO濃度を知ることは、製鉄工場の温室効果ガス排出削減のキーとなります。
鉱物の化学量論と濃度からFeO量を直接計算することができます。これらの値は、XRDによって決定されるため、滴定に代わる非常に迅速な方法となります。
アルミニウムの生産管理は、X線回折(XRD)による分析工程がきわめて重要です。
第一にXRD装置は、精錬現場の過酷な環境に設置することが必要になります。 そして第二に、常に数百の精錬セルを連続的に評価するという膨大なサンプルスループットが要求されます。
D8 ENDEAVORは、これらの要求に対して、測定時間の削減と分析能力の拡大という技術的革新をご提供します。
D8 ENDEAVORは、肺がんやその他の深刻な健康問題の原因となる遊離けい酸(吸入性結晶質シリカ)濃度をモニターするのに最適です。
LYNXEYE XE-T検出器を搭載したD8 ENDEAVORを使用すると、最高の精度とすぐれた検出下限を両立することができます。
遊離けい酸の課題を解決するため、ブルカーは様々なフィルタータイプに適したサンプルホルダーとDIFFRAC.DQUANTソフトウェアを用いた検量線定量メソッドを提供しています。これはNIOSH 7500に準拠しており、必要に応じて検量線の校正も可能です。
仕様 |
メリット |
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X線発生装置 | 3kW 1 kW ECO |
高速スキャン、すぐれた検出・定量下限 低消費電力、単相電源、外部冷却水不要 |
サンプルハンドリング | 66サンプルマガジン(51.5mm径ホルダー用)または72サンプルマガジン(40.0mm径ホルダー用) 20サンプル用EasyLoadトレイ (51.5mm径ホルダー用) ロボットまたはベルトコンベアーによるサンプル搬送 |
業界標準サイズ。自動サンプル調製やさまざまな自動化システム対応 サンプルのオフラインマニュアル搭載可能 オペレーター操作を必要としない自動装置制御 |
光学系 | DBO (Dynamic Beam Optimization) |
電動光学系による最適な測定条件を自動指定 メソッドに統合されたXRDノウハウ |
電動制御散乱防止スクリーン (MASS) |
空気散乱によるバックグラウンド上昇を抑え、ピーク/バックグラウンド比を改善し、検出下限と定量性を向上 |
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Push Button操作 | ローダーソフトウェアとタッチコントロール |
最小限のトレーニングですぐに運用可能 |
検出器 | Caチャネル (XRF) SSD160-2 LYNXEYE-2 LYNXEYE XE-T (*) 検出器保証 |
Al生産管理のための元素分析チャネル 160チャネル搭載 高速Si半導体1D検出器 超高速1D検出器(*) 超高感度、高エネルギー分解能1D検出器 (*) デッドチャネルなし |
ゴニオメーター | 試料水平θ-θ配置 |
サンプルは常に水平に保持され、測定中の脱落なし 測定範囲全体でΔ2θ≦0.01°の独自アライメント保証、付属の認証標準物質NIST Al2O3でトレーサブル |
安全性 | ドイツPTB安全規格 CE コンプライアンス |
最高標準の安全性 機械指令 (2006/42/EC)、低電圧指令 (2014/35/EU)、EMC指令 (2014/30/EU) |
D8 ENDEAVORは、さまざまな種類やサイズのサンプルを同時に扱うことができるため、試料調製の手間を最小限に抑えられます。サンプルホルダーをマガジンから測定位置である回折計中心に移送するグリッパーは、厚みの異なるサンプルホルダーを自動的に検出・認識します。
DIFFRAC.SUITEソフトウェアパッケージは、すべての機能を備えた妥協のないソフトウェアパッケージで、対話式インターフェースにより簡単に測定条件(メソッド)を作成でき、もっともパワフルで正確な分析結果を提供します。必要に応じて、21CFR Part11に準拠することも可能です。測定用のDIFFRAC.SUITE MEASUREMENT CENTER、一般的なXRDデータ解析やクラスター解析、結晶相定性分析用CODデータベースを含む解析用のDIFFRAC.EVAは、標準2ライセンス、大学・高専ユーザー向けに10ライセンスをご用意しています。追加ライセンスはオプションでご選択いただけます。DIFFRAC.DQUANTは検量線に基づく業界標準に準拠した分析手法をご提供し、DIFFRAC.TOPASは10相を超えるような複雑な多相混合物の定量に威力を発揮し、いずれも正確な分析結果を導き出します。
工業用のプロセス管理や品質管理に最適なD8 ENDEAVORは、完全自動化定量(Black Box Quantification)を実現するTOPAS BBQと連動することができます。また、建材分析用専用パッケージも提供しており、当社のセメントアプリケーションの専門家が用意した10種類の分析メソッドをすみやかに実行できるようになっています。DIFFRAC.SUITEソフトウェアパッケージは、測定結果をファイルまたはデータベース内で取り扱うことができ、RESULTS MANAGER上でマルチサンプルレポートや経時モニターを行う機能を有します。