リサーチ用顕微FT-IRシステム

HYPERION

HYPERION は、リサーチ用に開発されたブルカーの赤外顕微鏡プラットフォームです。機能のカスタマイズが可能で、豊富なアクセサリを組み合わせることで、目的のアプリケーションに最適なシステムを構築することができます。
HYPERION 3000 Banner

特長

顕微分光からイメージングまで

HYPERION シリーズ

HYPERION は、30 年以上にわたる顕微赤外分光法の歴史の集大成といえる製品です。すべての光学系、機械系、電気・電子コンポーネントに関する高度な設計・製作技術が、究極の感度と空間分解能を実現し、再現性と信頼性に優れる分析結果を提供します。HYPERION には、専用設計された各種対物鏡やケミカルイメージング機能など、コントラストを向上させるための数多くのツールが用意されており、特に高い分析能力が要求される微量分析を、より簡単な操作で効率的に行うことを可能にしています。その応用野は非常に幅広く、材料開発、高分子、化学、法医学、芸術保存、生命科学など様々です。

測定感度と空間分解能

HYPERION の空間分解能は、光の回折にのみ依存します。効率的な設計による優れた光学スループットが、空間分解能を犠牲にすることなく高い感度を実現しています。

HYPERION の光学系は共焦点設計を採用しており、試料上の測定部位を規定する視野絞りアパーチャを、試料の前段および後段それぞれに配置することが可能となっています。標準構成の HYPERION では、可視光透過型ナイフエッジブレードを用いた 3 軸アパーチャが試料後段に配置されています。オプションで、金属製ナイフエッジアパーチャ、アイリス式アパーチャ、多段切替式アパーチャホイール、ソフトウェア制御式自動ナイフエッジアパーチャが用意されています。

 

サンプリングの柔軟性

透過法による顕微測定の場合、ほとんど場合に試料を光学的に薄くする必要があり、一般的には厚さ 5 〜 15 μm 程度の切片を用意する必要があります。金属のような基板上に対象物が薄く堆積している場合は、反射法が用いられます。HYPERION は標準で 15 倍対物鏡を装備していますが、より小さな試料を測定する場合は、より高い倍率の対物鏡の選択も可能です (20倍、36倍)。透過法や反射法の適用が難しい場合には、減衰全反射法、いわゆる ATR 法の適用が効果的です。

HYPERION 専用のATR 対物鏡 (倍率 20 倍) は、クリアな観察視野と微小領域における高感度測定を両立させた、非常に強力な分析ルールです。試料の柔らかさ、硬さに合わせて接触圧力を段階的に切り替えることが可能で、自動マッピング測定を含め、ATR プリズムと試料の接触圧力が常に最適な状態で再現される設計になっています。

金属表面に存在する微量成分や薄膜成分の検出・解析には、試料の測定面に対して赤外光を大角度で入射させてその反射光を観測する、いわゆる高感度反射赤外分光法が有効です。ブルカーの高感度反射対物鏡 (Grazing Angle Objective; GAO) は、独自の特許デザインにより、非常に高い感度を実現するとともに、顕微反射法ながら偏光測定にも対応しています。

 

波数範囲

HYPERION が測定可能な波数範囲は、標準的な中赤外域はもちろん、遠赤外、近赤外、さらには可視域まで拡張が可能で、その範囲は 80 cm‑1 から 25,000 cm‑1 (125 ~ 0.4 μm) におよびます。数多くの検出器オプションの中から 2 台の検出器を同時に搭載することが可能で、その切り替えもソフトウェアで制御することができます。

 

ソフトウェア

HYPERION は、豊富な解析機能と高い操作性が特長の OPUS ソフトウェアによって制御されます。スペクトル測定から各種データの評価や解析、レポートの作成まで、OPUS ひとつですべてを処理することが可能なオールインワン設計のソフトウェアです。ソフトウェアのインターフェースをカスタマイズすることも可能で、ルーチン分析から高度な研究開発まで、用途に合わせて最適なオペレーション環境を作ることができます。

測定で得られるスペクトル、可視像、ケミカルイメージ、RGB および PCA プロット等の解析データは、すべてひとつのデータファイルに保存され、データ管理やセキュリティの点でも優れた設計になっています。

HYPERION による測定では、OPUS が備えるウィザードのガイドに従って操作を進めることで、常に的確な可視像とスペクトルデータを得ることができます。また OPUS がもつ様々な解析機能を用いることで、3 次元データなどの膨大なスペクトル情報の中から関連性の高い要素を短時間で抽出することも可能です。最終的に得られる赤外イメージの 2 次元あるいは 3 次元プロットを、試料の可視像に重ね合わせたり並べて出力することも可能です。

INVENIO + HYPERION 3000

装置診断

HYPERION に接続される分光計には、 装置自身の状態をリアルタイムでモニタする自己診断機能 PerformanceGuard™ が装備されており、常に信頼性の高いデータを提供することを保証しています。さらに自動化された適格性確認機能 (OQ, PQ) を用いることで、日常の装置性能の確認も簡単に行うことが可能です。また  OPUS ソフトウェアは、GMP および 21CFR Part11 の要求事項に準拠するすべてのオプションを提供します。

 

柔軟性に富むデザイン

HYPERION シリーズは、最先端の研究開発に最適化された、アップグレード可能な赤外顕微鏡プラットフォームです。 HYPERION 2000 には、HYPERION 1000 がもつすべての機能が含まれています。

  • HYPERION 1000:透過および反射測定機能、ビュースルーナイフエッジアパーチャ、手動式試料ステージを備えた高性能赤外顕微鏡。 倍率15倍のカセグレン式対物鏡と可視観察専用 4 倍対物レンズを備える対物レボ
    ルバ、接眼鏡筒およびビデカメラが装備されています。
  • HYPERION 2000:電動試料ステージを備えたマッピング測定対応モデル。 HYPERION 1000 のすべて持つの機能が含まれています。
  • HYPERION 3000:最新のフォーカルプレーンアレイ (FPA) 検出器を備えるイメージング測定対応モデル。HYPERION 2000 の持つすべての機能が含まれています。

仕様

主な仕様

試料の目視解析

顕微 FTIR システムを用いた分析では、試料を観察し、測定対象エリアを的確に捉えることが最初のステップとなります。しかしながら一部の試料では、目視観察では明瞭なコントラストが得られないケースもあります。このような問題を解決するため、HYPERION には様々なツールが用意されています。

  • 豊富な種類の対物鏡と対物レボ
  • ケラーアパーチャ
  • 回転偏光子および検光子
  • 明視野および暗視野照明
  • 蛍光照明

HYPERION は、観察画像の記録用の CCD カメラに加え、標準で接眼レンズを装備しており、最高の光学品位で試料を観察することができます。デジタル画像では捉えにくいコントラストの僅かな違いも明瞭に捉えることができ、試料の測定部位を確実に識別することが可能です。

ATR 対物鏡

専用設計の ATR 対物鏡は、クリアな観察視野と微小領域における高感度測定を両立させた強力な分析ツールです。ATR 対物鏡に内蔵の高感度圧力センサが試料との接触により ATR プリズムに掛かる圧力をモニタしており、常に最適な接触圧力で測定が実行されます。

 

高感度反射対物鏡 GAO

金属表面に存在する微量成分や極薄膜の検出・解析を目的に開発された対物鏡で、特許技術による優れた感度と偏光測定に対応する点が特長です。

 

IMAC マクロイメージング試料室

IMAC は、ミリオーダーサイズの大きな試料の FT-IR イメージング測定を可能にするオプションです。HYPERION  3000 と同様に、最新の FPA 検出器が IMAC で使用されています。

試料加熱ホルダ (A599)

FT-IR および ラマン測定に利用できる試料加熱ホルダで、顕微 FT-IR では透過、反射の両測定モードに対応します。室温から最高 180 ℃ まで、ソフトウェアによる自動温度制御が可能です。

 

加熱/冷却ステージ (A699)

-196 ℃ から 600 ℃ の温度範囲で、さまざまな試料の FT-IR およびラマン分光法による微量分析が可能になります。

ケミカルイメージング

高分解能 FT-IR イメージング

HYPERION 3000 は、最新の FT-IR イメージングと従来のポイント測定の両方に対応する、HYPERION シリーズの最上位機種です。それぞれに最適化された光学系により、FPA を用いたイメージング測定では歪みのない高精度なケミカルイメージを、単素子検出器によるポイント測定では最大の光学スループットを、それぞれ高い次元で両立させています。

FPA 検出器を用いたイメージング測定では、最大 16,384 本の赤外スペクトルを含む、観測エリア 340 x 340 μm、ピクセル分解能 2.7 μm のイメージを秒速で取得することができます。さらに連続して測定される複数のイメージをタイル状に配列することで、より広範囲のイメージを得ることも可能です。より高い空間分解能が得られるよう、高倍率の対物鏡を利用することも可能です (20x, 36x)。

FT-IR イメージングにより、観測波長の回折にのみ依存する空間分解能による試料の分光分析が可能となります。つまり中赤外領域では、透過法と反射法の測定モードにおいて、空間分解能の理論上の上限は約 2.5  µm (4000 cm-1) となります。HYPERION 3000 には、この数値に近づけるよう 36 倍対物鏡が用意されており、これを用いた場合のピクセル分解能は 1.1 µm となります。

 

測定対象試料の可視観察画像の収集、測定対象領域の指定、そして最終的な測定は、すべて OPUS/Video ソフトウェアモジュールを使用して実行します。測定の結果、FT-IR イメージデータは 3D ファイルに保存され、OPUS 内の標準データ前処理および評価機能で処理できます。

評価・解析の結果は試料のケミカルイメージとして得られますが、これらのデータは、さまざまなカラースケールの 2 次元および 3 次元データとして表現が可能です。3D データの評価のため、OPUS には、ピーク積分、参照スペクトルとの相関解析、3D クラスター分析、主成分分析 (PCA)、RGB イメージ構築など、さまざまな解析アルゴリズムと画像化ツールが用意されています。

より大きな試料に対して FT-IR イメージングを適用するために、HYPERION 3000 と同様の最新の FPA 検出器を備えたマクロイメージング試料室 IMAC  が用意されています。

透過および反射モードにおけるHYPERION 3000 のピクセル分解能:

対物鏡 ピクセルサイズ
15x 2.7 μm
20x 2.0 μm
36X 1.1 μm

詳細

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