ナノインデンター

iTF - 薄膜機械特性解析ソフトウェア

基板の影響を考慮し、薄膜固有の機械特性を評価

膜厚に依存しない薄膜弾性率評価

iTFは、ブルカーが提供する薄膜評価専用の解析ソフトウェアです。硬質膜/軟質基板から軟質膜/硬質基板まで、幅広い薄膜材料に対応し、2 nmから2 mmの膜厚範囲において薄膜固有の弾性率を高精度に算出します。

iTFは、ハーバード大学の研究グループによって開発された特許取得済みの弾塑性接触モデルを基盤としており、ブルカーのナノインデンター向けに最適化されています。現在では、半導体、電子材料、自動車、航空宇宙、コーティング分野など幅広い産業で活用されています。

基板の影響を考慮した薄膜機械特性評価の概念図

基板の影響を考慮した高精度解析

従来のナノインデンテーション解析では、除荷初期の応答を純粋な弾性応答として取り扱います。しかし、薄膜試料では圧子直下に発生する応力場が基板内部まで広がるため、測定結果には基板の機械特性の影響が含まれます。

この基板影響により、薄膜そのものの機械特性を正確に評価することが難しくなる場合があります。

iTFは、多層構造材料における応力分布を考慮した解析モデルを用いて、薄膜固有の弾性率を数値的に算出します。これにより、押込み深さが増加した場合でも、基板影響を考慮した高精度な薄膜評価を可能にします。

iTF解析ソフトウェア画面

簡単な操作で高度な薄膜解析を実現

試料をセットし、深さ方向のナノインデンテーション測定を行った後、iTFソフトウェアで解析するだけで薄膜固有の弾性率を算出できます。

iTFはブルカーのナノインデンターの測定データに対応しており、複数試料の自動解析も可能です。また、解析速度と解析精度のバランスをスライダーで調整できるため、用途に応じた柔軟な解析を実現します。

接触力学モデルに基づく解析エンジン

ナノインデンテーション測定結果から算出した薄膜固有の弾性率(300 GPa)の解析例。破線は薄膜と基板の界面位置を示しています。

iTFの解析エンジンは、多層材料の接触力学モデルに基づいて構築されています。圧子形状、接触剛性、押込み荷重、押込み深さなどの条件から接触応力分布を再構築し、測定データと解析モデルを照合することで、薄膜固有の弾性率を導き出します。

さらに、薄膜と基板の弾性率差が大きい場合でも、高い信頼性で解析を行うことができます。