banner EPR Chemistry

酵素反応

Cu-Zn-SODの活性部位の検出と研究
多くの酵素反応には、EPRで検出できる酵素の常磁性遷移状態の形成を伴う、電子一つの酸化の段階が含まれます。不対電子が位置する常磁性中心は通常、遷移金属(金属タンパク質)を中心とするか、アミノ酸由来のラジカルです。常磁性中心の検出と同定は、酵素の機能を理解する上で重要です。例えば、天然のSOD1酵素では、活性部位には非常に特徴的なEPRスペクトルを与える1個のCu (II)イオンが含まれます。

EPR chemistry crystal structure
Crystal structure (1E9P.pdb) of Cu(II)-SOD protein

[Bitte nach "Japanese" übersetzen:] Crystal structure (1E9P.pdb) of Cu(II)-SOD protein

EPR chemistry spectrum
EPR spectrum of Cu(II)-SOD protein at 77 K using finger dewar

反応速度論

ビタミンCの抗酸化能の反応速度解析
多くの化学反応では1つの電子が移動します。それぞれの電子移動により、不対電子が常磁性フリーラジカルを生成します。EPRは、これらの種を測定し、その生成と消失の時間的挙動をモニタリングするのに理想的な分光技術です。EPRには、単独でフリーラジカルを明確に検出する能力があります。例えば、ビタミンCのような抗酸化物質は生物にとって危険なフリーラジカルを中和するのに重要ですが、反応速度はその有効性を示します。

Read more about reaction kinetics studied on EMXnano

EPR chemistry nitroxide TEMPOL
Experimental data of the reduction of the nitroxide TEMPOL by ascorbate (vitamin C)
EPR chemistry mechanism TEMPOL
Mechanism of TEMPOL reduction by vitamin C

光化学

ビール中のホップの光劣化
光化学反応の大部分は、中間体としてのフリーラジカルの生成を通じて生じます。例えば、醸造工程で使用されるホップは、フムロン、コフムロン、アドフムロン、ベータ酸、精油などの活性成分の混合物を含有しています。これらの成分の一部の形態は光活性です。ビールに光が当たるとフリーラジカルが生成し、それが硫黄化合物と結合してビールに不快な風味と臭いが生じます。

Read more about photochemistry and UV lamp accessories

EPR chemistry beer
EPR chemistry photo 2

The hop product was exposed to UV/Vis light from 220-600 nm using UV lamp accessory. The light-induced free radicals were recorded in the presence of the spin trap DMPO and identified as superoxide anion radical and two C-centered radicals.

触媒作用

TiO2の光触媒反応によるヒドロキシルラジカルの発生
現代の化学工業は均一系触媒と不均一系触媒に大きく依存しています。これらの触媒の動作モードや反応性を理解することは、開発の改善および性能の向上に極めて重要です。遷移金属イオンから欠陥構造、ラジカルに至るまで常磁性中心が関与する場合、EPR分光法は間違いなく最適な手法です。例えば、有機汚染物質の光触媒酸化は、TiO2のような半導体多結晶粉末を用いてよく行われます。ヒドロキシルラジカルは、TiO2の光照射によって容易に生成され、スピントラップを用いたEPRによって検出されます。

EPR chemistry light irradiation
Mechanism of hydroxyl radical formation upon light irradiation of TiO2
EPR chemistry spectra
EPR spectra obtained upon irradiation of aqueous TiO2 suspensions in the presence of spin trapping agent PBN

電気化学

ルテニウム錯体のEPRによる電気化学的研究
EPRと組み合わせた電気化学的生成方法は、有機化合物および無機化合物の両方から誘導されたフリーラジカルの同定および調査に使用されてきました。無機染料は太陽電池の効率改善に使用できます。リガンドを最適化するには、染料の電子構造を理解しなければなりません。ここで、DFT計算とUV/Vis分光法を組み合わせた電気化学とEPRは、不対電子が金属とリガンドの間で非局在化していることを示しています。

EPR chemistry electrochemistry
Data courtesy of Prof. J. Rochford, University of Massachusetts Boston (Inorg. Chem., 2016, 55 (5), pp 2460–2472)

酸化還元化学

Cu (II) 還元によるSODタンパク質の酵素活性の研究
人体にある酵素は酸化還元反応を調節します。何百種類もあることが知られているこの複雑なタンパク質は、触媒として働き、体内の化学プロセスを促進します。酸化還元反応は、食物に含まれる物質を酵素で身体が使用できる成分に分解し、エネルギーを得るための食物の代謝でも生じます。例えば、Cu-Zn-SODタンパク質のジスムターゼ活性には、Cu(II)-SODからCu(I)-SODへの還元が含まれます。

 

 

Epr chemistry redox 1
Reduction of Cu(II)-SOD (EPR active) to Cu(I)-SOD (EPR inactive)
Epr chemistry redox 2
Cu(II)-SOD has a very characteristic EPR signal which decays upon reduction of Cu(II) -> Cu(I).

抗酸化物質

ビタミンCの酸化によるアスコルビン酸ラジカルの検出
フリーラジカルの有益な作用と有害な作用との微妙なバランスは、人の(病理)生理学の重要な側面の一つです。毒性ラジカルの不均衡な生成は、恒常性を取り戻すために特定の抗酸化物質のを必要とする多くの疾患の病因と高い相関があります。EPRは、内因性の長寿命フリーラジカル(アスコルビン酸ラジカル、トコフェロキシルラジカル、メラニン)をマーカーとして用いて、生体系の酸化状態を判定するのに使用されます。

EPR chemistry antioxidants 1
Reaction of a toxic radical R● with an antioxidant A. Also pictured is the reaction of the antioxidant ascorbic acid (Vitamin C) with a radical
EPR chemistry antioxidants 2
EPR spectrum of ascorbate (Vitamin C) radical
Contact an expert