カーボンナノチューブやナノワイヤエレクトロニクスの台頭により、ナノスケールの1D材料に適用可能な評価技術に対する需要が高まっています。材料を具体的に挙げると、金属および半導体ナノワイヤ、1Dおよび2D炭素系材料、単一コラーゲン繊維などの生物学的材料などがあります。これらの材料の機械的特性を評価するには、非常に高い荷重の分解能とサンプル調製および取り扱いのノウハウが必要です。
ブルカーはこれらの材料に対し、適切な試験プラットフォームを提供するために、SEMおよびTEM用のナノインデンテーションシステムPicoIndenter機器と連動するように設計されたin-situ引張装置であるPush-to-Pull (PTP)デバイスを開発しました。 PTPデバイスは、1D試験片を取り付けることができる消耗品のMEMSデバイスである。試料を取り付けたデバイスをPicoIndenter上に移し定量的な引張試験を行います。得られた結果から引張特性を評価すると同時に電子顕微鏡像により微細構造の変形挙動をリアルタイムで観察できます。electrical Push-to-Pull (E-PTP)と名付けられたデバイスを用いると、引張実験中の4点電気測定も可能になります。