導電性ナノインデンテーション試験では圧子と試料の界面に電流を流しながらナノインデンテーションを行います。この技術はナノスケールの応力誘起の相変態、酸化物の破壊、MEMS接触スイッチの耐疲労性、降伏電圧、圧電応答などの評価に有効です。導電性ナノインデンテーション試験を電気顕微鏡内にてin-situで実施する際には、顕微鏡の電子ビームにより生じる電気的な影響は一定のオフセットとして差し引き、材料の応答のみを測定することが可能です。測定位置は電子顕微鏡での試料観察を通じて容易に正確に設定することができるため、ピラーや粒子などのマイクロ・ナノ構造の電気機械的特性を高い信頼性で定量的に評価できます。水分の影響を考慮しなければならない試料も電子顕微鏡の真空環境によって影響を最小限に抑えられます。
1Dおよび2D材料にはMEMS Electrical Push-to-Pull (E-PTP) デバイスを用いることで、標準的な4点測定より試料抵抗を測定しながら引張試験を行うことができます。電流供給電極と電圧検出電極を分けることで測定時の接触抵抗およびリード抵抗を排除し、電気的特性を正確に測定する構造となっています。電圧掃引を行いI-Vカーブを取得しつつ電子顕微鏡で試料の変化(寸法など)をin-situで観察することも可能です。