ラマン分光法は物質の化学組成と構造を空間的に解析するために用いられる技術の1つです。ブルカーのナノインデンテーションシステムはラマン顕微鏡を搭載可能な構造を採用しており、ナノ機械的特性評価試験とラマン分光法による分析を組み合わせることが可能です。このことで化学組成・構造と機械的特性の関係性についての理解を深めることができます。具体的には局所的な化学的構造、結晶性、結晶構造の違い、相、内部応力・歪みなどが機械的特性にどのような影響を及ぼすか、その相関関係を明らかにします。また、ナノインデンテーション測定前後の試料についてラマン分光法で分析することにより変形プロセスから生じる材料内の構造変化を迅速に評価できます。
ブルカーのナノインデンテーションシステム Hysitron TI 980 TriboIndenter および Hysitron TI 950 TriboIndenter にはラマン分光法の分析システムを搭載可能です。ブルカーのナノスケールの機械的特性評価において高い感度、信頼性、測定位置精度を有するシステムは、ナノ機械的特性評価結果とラマン分光法での分析結果の間で優れた空間的相関性分解能を実現します。また、測定箇所を事前に指定するオートメーション機能を用いることで、試験プロセスを自動化し、測定者の負担を減らすことができます。試料の種類、研究のニーズに合わせて、ラマン分光法の分析に用いるレーザー光源と分光計を選択することも可能です。