硬質金属の摩擦試験

リング・オン・ディスク試験によるシビア摺動条件での摩擦試験と耐ゴーリング評価

シビア摺動試験の必要性

潤滑が難しいあるいはゴーリング(摩耗粉の移着を伴うシビアなアブレシブ摩耗)への耐性が限定的な程度にしか、潤滑が効かないといった摺動アプリケーションでは、材料によるソリューションとしては表面硬化処理および硬質金属が用いられます。
潤滑が効かない条件下で高強度材料の摺動が要求されるアプリケーションとしては以下が挙げられます:

  • • 高圧システムにおけるガスバルブ
  • • ドリルビット、切削工具のビットあるいはインサート
  • • 鉱山・道路建設機械
  • • 静置式発電機の平軸受(すべり軸受)

 

表面硬化処理としてよく見られるのは肉盛溶接した被膜などだが、マルテンサイト化や加工硬化などによって硬化が可能な鋼や金属炭化物も含まれます。表面硬化処理は通常、耐摩耗性を高める目的で適用される一方、硬質金属は大部分の表面硬化処理よりも高強度にできる可能性があり、硬質金属としては超硬合金や窒化物、タングステン基合金などがあります。硬質金属は切削工具や、高温用途、あるいは希薄潤滑/無潤滑の条件下で金属同士のシビアな摺動が要求されるアプリケーションなどで多用されます。

 

硬質金属や表面硬化処理の試験では、そうしたアプリケーションの稼働状態と同様のシビアな条件をシミュレートすることが求められます。その一例が、潤滑されていないすべり軸受の状態のような、コンフォーマル接触状態での高速摺動です。トライボメータUMTでの試験は、以下の写真に示すとおり、リング・オン・ディスク試験構成を用いて実施されました。試料同士が常に密着した状態にあるため、この試験においては摺動に伴う著しい摩擦熱が発生、これによって自己融着が起こるという傾向が認められました。

 

 

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Ring-on-disk setup on the UMT
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Ring-on-Disk data showing behavior on startup of different hardmetal couples. Tests conducted at 0.5 MPa contact stress and 4.2 m/s sliding speed.

硬質金属試験のための各種試験の適用

独特のアプリケーションであっても試験が必要とされる主要なパラメーターが存在します。動作中の摩擦係数や、低速高負荷摺動での耐ゴーリング性、あるいは高速摺動に起因する高温への耐性などです。
このように、性能改善のために、適切な条件下で材料を変えて試験評価することは重要である。UMTは、一方向の動きあるいは往復動において、高い接触圧力や高い摺動速度を付与しての試験が可能で、試験中の温度や摩擦、摩耗の状態をモニタリングでき、また、あらかじめ設定した閾値に達したところで自動的に試験を終了するようセットできます。こうした多目的性によって、いかなる種類の硬質金属、表面硬化処理であっても、アプリケーションに特有の条件下での試験が可能で、研究開発支援に大いに寄与しています。

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