MBTおよび抗酸菌の同定

Mycobacterium 属の中には、結核菌群（Mycobacterium tuberculosis complex: MTC）や日和見病原体を含む非結核性抗酸菌（nontuberculous mycobacteria: NTM）など、複雑な世界が存在します。NTMに関連した感染症が急増し、抗菌薬耐性が増加する中、抗酸菌種間の正確な鑑別に対する要求はかつてないほど重要になっています。

抗菌薬感受性の違いは、種レベルでの抗酸菌同定の緊急性を物語っています。しかし、従来の方法では、処理時間の長さや正確性への対応に苦慮してきました。

核酸ハイブリダイゼーションプローブのような分子的方法は、その速度を速めたものの、特異性において時折、差を感じることがありました。16S rDNAのような標的遺伝子の塩基配列を決定する方法は、スピードと正確性は求められるものの、しばしば費用の面から利用しやすさにも限界がありました。

特定のリファレンススペクトラムライブラリとソフトウェアモジュールを搭載したMBT HT 抗酸菌モジュールにより、MALDI Biotyperの潜在能力を拡張して抗酸菌同定を行うことができます。

MBT抗酸菌ライブラリは、現在知られている201種の抗酸菌のうち182種の抗酸菌のリファレンススペクトルを収容し、液体培地または固体培地での培養に関係なく抗酸菌サンプル分析を確実に行います。

専用のソフトウェアモジュールは、抗酸菌由来の通常より複雑なマススペクトルを処理し、従来の手法とは異なる体験を提供します。抗酸菌サンプルとしてフラグが立てられたサンプルは、最適化された取得プロセスを経て、スペクトルをMBT 抗酸菌ライブラリと自動的に比較し、正確で高感度な同定を行います。

MBT HT 抗酸菌モジュールには、ソフトウェアモジュールと専用の抗酸菌ライブラリが含まれています。

Not for use in clinical diagnostic procedures.