ウエハー解析を革新する RAMANdrive

RAMANdrive は、超高速・高解像度のウエハー解析に特化したラマン顕微鏡であり、専用の300 mmステージにより、ウエハー全体にわたる卓越した安定性と精度を実現します。

高精度ステージナビゲーション

迅速なデータ取得

RAMANdrive
RAMANdrive

ウエハー解析を、驚くほど簡単に

最先端の半導体開発には、解析のあらゆる工程で高い精度と正確性が求められます。RAMANdriveは、こうしたニーズに応えるために設計された、高速・高性能なラマン顕微鏡です。

RAMANdriveによる効率的な解析プロセス

Nanophoton RAMANdriveは、解析時間の短縮と作業効率の向上を目的に設計されています。検査装置で取得した座標データをアップロードすることで、関心領域を特定し、ウエハーを指定位置へ移動させて詳細な解析を行うことが可能です。

高精度ステージナビゲーションシステム

ステージナビゲーションシステムは、RAMANdriveの解析プロセスを効率化し、作業の流れをスムーズかつ短時間で進めることを可能にします。検査装置から取得した座標データを直接アップロードすることで、RAMANdriveが、ウエハーを指定位置に移動させ、関心領域の詳細な解析が行えます。ステージは高い位置決め精度を持ち、すべての測定領域に安全かつ確実にアクセス可能です。この機能は、ウエハー以外のサンプルにも柔軟に対応できます。

300 mmウエハーステージの主な特長:

  • 大型ウエハー対応:最大300 mmまでのウエハーに対応し、ステージに付属した真空チャックによってしっかりと固定されます。
  • 全面測定可能:レーザーがウエハー表面全ての領域に照射可能な設計です。
  • 厚みのあるサンプルへの対応:ステージには厚みのあるサンプルにも対応できる空間があり、厚みのあるウエハー以外のサンプルでも問題なく測定可能です。

ウエハー固定用の真空チャック

ウエハー位置決め用の固定ピン

厚みのあるサンプルに対応可能なステージ設計

高精度かつ安定性に優れた300 mmウエハーステージ

RAMANdriveのステージナビゲーションシステムは、解析工程の効率化と時間短縮を実現する、ソフトウェアの重要な機能です。ステージには最大300 mmまでの大型ウエハーを設置可能です。解析時には、既存の検査装置から取得した座標データをアップロードすることで、RAMANdriveが関心領域を自動で特定し、ウエハーを指定位置へ移動させて詳細な分析が可能です。この機能は、ウエハー以外のサンプルにも柔軟に対応可能です。

高性能ラマンイメージング

ナノフォトンの先進的なレーザーライン照射技術により、1度のレーザー照射で最大400スペクトルを同時に取得可能です。この手法ではサンプルを動かすことなく、数分で数十万点のデータを収集し、対象領域の詳細なラマンイメージを生成します。本システムは、高い空間分解能と波数分解能を維持したまま高速な測定を実現でき、100nm未満の微細粒子の検出や、応力分布・結晶多形の解析において高い有用性を発揮します。

ラマンイメージング領域全体を網羅するAreaFlash™

ウエハー解析などの広範囲・低解像度のラマンイメージングでは、通常、レーザースポットのサイズが測定点間のステップサイズよりもはるかに小さく、従来のポイントごとのマッピング手法では解析領域全体を網羅的かつ、代表的な特徴を正しく捉えることが困難です。AreaFlash™技術はこの課題を解決するためにレーザースポットを拡大し、励起光が測定領域全体を効果的にカバーすることで、領域全体の代表的な特徴を漏れなく反映したラマンイメージを取得します。

SiCポリタイプ分布の解析例

SiC(炭化ケイ素)の多形分布解析は、AreaFlash™の有用性を示す代表的な事例です。AreaFlash™の機能を活用することで、結晶構造の違いを迅速に可視化できます。初期評価では解像度を意図的に下げることで、測定時間と作業負荷を大幅に削減可能です。この手法により、広範囲の構造的ばらつきを短時間で把握でき、詳細解析に向けた明確な出発点を得ることができます。結果として、迅速な予備評価と高精度な詳細解析のバランスを効率的に実現することが可能です。

内部参照による自動波数キャリブレーション

RAMANシリーズのシステムでは、測定の開始前や測定中の一時停止時に、自動で波数キャリブレーションを実行することができます。また、オプションの内部参照試料機能として、ソフトウェア制御により、モーター駆動式の石英サンプルを光路に挿入する仕組みが搭載可能です。この石英サンプルが光路に配置されることにより、464cm-1に位置する石英の参照ピークがすべての測定に現れます。この参照ピークと、例えば520cm-1に位置するシリコンピークとの波数差をリアルタイムに計算することで、装置の構造的な要因や環境変化などに起因する約0.1cm-1程度のわずかな波数のずれを含む誤差をその場で補正することが可能になります。

RAMANdriveの代表的なアプリケーション

100 nm 未満の微粒子のラマン分析

RAMANdriveは、高い空間分解能と高品質な暗視野顕微鏡機能を備えており、100 nm未満の微粒子も容易に識別できます。ガルバノミラーによって制御される集光レーザー光により、高いS/N(信号対雑音比)のスペクトルが得られ、ライブラリ検索をすることで粒子の同定が可能です。

応力分布の可視化

共焦点光学系により、SiCやGaNなどの透過性材料に対して深さ方向のプロファイリングが可能です。例えばSiCウエハーでは、ラマン断面イメージングを用いることで、内部の応力分布を明確に可視化でき、研磨処理による応力の緩和効果も把握できます。

フォトルミネッセンス(PL)イメージング

325 nmの紫外レーザーを用いたPLイメージングでは、GaN自体の分布に加え、欠陥や不純物の分布なども可視化できます。UVレーザーはバンドギャップを超えるエネルギーを照射できるため、サイズや組成の異なるInGaNドットにおけるPLスペクトルの検出が可能です。また、紫外光の浅い浸透深さにより、表面構造のラマン分析にも適しています。

RAMANdriveの仕様

空間分解能X方向350 nm、Y方向500 nm、Z方向1 µm 
対物レンズ5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、暗視野対応 
波数分解能1.2 cm⁻¹未満(回折格子に依存)
 
ステージ仕様300 × 300 × 35 mm、XYZモーター駆動ステージ 
キャリブレーション
標準ランプおよび標準サンプルに基づく自動校正 
光学調整光路の自動アライメント機能 
レーザー安全性インターロック付きのレーザー安全クラスI対応カバー