ナノ構造薄膜の定量的評価

ナノ材料は通常、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて解析されます。
しかし、走査電子顕微鏡(SEM)の広い視野を活かすことで、ナノ材料を定量的に評価することも可能です。この目的のために開発されたのが オンアクシス TKD(Transmission Kikuchi Diffraction)法です。TKD は現在、EBSD ハードウェアを用いてナノスケールでの結晶方位分布を測定できる、確立された SEM ベースの手法となっています。
本アプリケーション例では、FE-SEM に OPTIMUS TKD ヘッドを搭載した e‑Flash FS 検出器を用い、金(Au)および白金(Pt)薄膜の結晶方位分布を測定しました。
TKD 測定は低照射電流(3 nA 未満)での高速測定が可能であり、ビームドリフトの影響を抑えつつ、超高空間分解能を実現します。その結果、20 分間で 1000 粒以上の結晶粒を測定でき、最小結晶粒径は 20 nm、さらに 双晶境界(ツイン境界)などの微細構造(3 nm)まで分解することができました。

左:幅 3 nm の双晶境界を分解した例
(IPF Z マップ、オンアクシス TKD、ステップサイズ 1.5 nm)
右:金薄膜から得られた回折パターン
5nmのSi3N4膜上の20nm Au膜のオンアクシスTKDマップ:サンプル表面(IPZ)に垂直に2nmステップサイズで取得した生の方位分布マップを示します。インデックス作成率は92%以上で2400粒以上が測定されました。
3 nmの空間分解能で取得したAu薄膜のARGUS色付け暗視野像