ナノインデンター

準静的ナノインデンテーション

微小領域の機械特性を定量的に評価

準静的ナノインデンテーションとは

準静的ナノインデンテーションは、材料のナノメカニカル特性評価における標準的な手法です。先端形状が精密に制御された圧子を試料へ押し込み、その際に加わる荷重と変位を高精度に測定することで、機械特性を評価します。

測定中に取得される荷重-変位曲線は、材料固有の「機械特性の指紋」ともいえる情報を含んでおり、さまざまな機械特性を定量的に解析できます。

ブルカーのナノインデンターは、独自の3プレート静電容量型トランスデューサを採用し、極めて低いノイズと高い変位分解能を実現しています。また、高い測定精度と再現性を実現する設計により、幅広い材料に対して信頼性の高い定量評価を可能にします。

荷重-変位曲線、特に除荷曲線を解析することで、複合弾性率(Er)や硬さ(H)を求めることができます。さらに、弾性変形仕事率、破壊靭性、接触剛性、はく離荷重(密着性)などの評価にも活用できます。

また、ブルカーのナノインデンターはIn-Situ SPMイメージング機能を備えており、測定前後の表面イメージングによる高精度な位置決めや変形挙動の観察を可能にします。

典型的な弾塑性変形挙動を示す溶融石英の荷重変位曲線と測定後に認められた圧痕のIn-situ SPM表面形状像

準静的ナノインデンテーションの測定原理

ブルカー独自の3プレート静電容量型トランスデューサの動作原理

ブルカー独自のナノインデンテーショントランスデューサは、世界で唯一の3プレート静電容量型設計を採用しています。

変位は、上下の電極に180°逆位相の交流信号を印加し、中央電極で検出される信号を解析することで高精度に測定されます。試料との接触によって圧子が変位すると、電極間の容量バランスが変化し、その変化量から変位を算出します。

また、下部電極に制御電圧を印加することで中央電極を静電的に駆動し、精密な荷重制御を実現します。これにより、高精度な荷重印加と変位測定を同時に行うことができます。

準静的ナノインデンテーションデータ解析

圧子面積関数の校正結果例

ブルカーのナノインデンターのソフトウェアには、準静的ナノインデンテーションの解析機能が搭載されています。荷重-変位曲線の除荷曲線を解析することで、複合弾性率(Er)および硬さ(H)を算出します。

さらに、圧子先端形状のわずかなばらつきや使用に伴う摩耗の影響を補正するため、圧子先端形状を反映した面積関数の校正を行います。これにより、高精度かつ信頼性の高い測定結果を実現します。

ナノインデンテーションで評価可能な機械特性

ナノインデンテーションは、微小領域の機械特性を定量的に評価するための強力な手法です。取得した荷重-変位曲線を解析することで、硬さ、複合弾性率(Er)、ヤング率、弾性変形仕事率、クリープ特性、応力緩和特性、界面密着性、破壊靭性など、幅広い機械特性を評価できます。これにより、ナノスケールからマイクロスケールまでの材料特性を高精度かつ定量的に評価することが可能です。