Nanobruecken 2020 - Nanomechanical Testing Conference
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準静的ナノインデンテーション法

近年、準静的ナノインデンテーション法は材料のナノ機械的特性評価に使用される汎用的な技術となりました。準静的ナノインデンテーション試験は、幾何学的に明確に定義された圧子(プローブ)を用いて高度に制御された方法で試料に荷重をかけたり取り除いたりすることにより行われます。

準静的ナノインデンテーション法では、トランスデューサーによって荷重を加えられた際の圧子の変位(押し込み深さ)を連続的に測定し、荷重-変位曲線を得ます。その曲線を解析することで定量的なナノスケールの材料特性を評価することができます。ブルカーの ハイジトロンナノインデンテーションシステムは、独自の3枚のプレートから成る静電容量型トランスデューサーを用いてナノインデンテーション測定中の荷重と変位を高精度で検出します。このトランスデューサー技術は超低ノイズフロア・ドリフトでの安定的な測定も実現しました。

測定中に正確な荷重・変位を検出できるよう厳密に校正された静電容量型トランスデューサーと精密に加工された様々な形状のナノインデンテーション圧子を組み合わせることで、あらゆる材料に対して定量的で信頼性の高い測定を行います。

測定の結果、取得できる荷重-変位曲線(特に除荷セグメント)を解析することで資料の機械的性質に関する定量的な情報を得られます。準静的ナノインデンテーション試験から得られる値は、複合弾性率(Er)、硬さ(H)などです。その他に、応力緩和特性、lクリープ特性、破壊靭性などの評価も可能です。

弊社の独立型ナノインデンテーションシステムでは、in-situ SPMイメージングが可能です。試験の直前、直後にナノインデンテーション圧子を使用して試料表面を走査することで、試験位置の正確な指定、試験後の変形状態の確認が可能です。測定に用いる圧子で走査できるため、試料表面状態の確認が測定前後にスムーズに行えます。

ブルカーでは準静的ナノインデンテーションを様々なスケールで実施できるように装置を設計しています。弊社のスタンダードな静電容量型トランスデューサーはおよそ10mNの荷重での測定に対応していますが、他に10Nまでの荷重を負荷できるオプションや数μNレベルの測定をより低ノイズで実施できるオプションなどを準備し、幅広い範囲の材料の特性評価手法を提供しています。


Nanoindentation Curve Indent

図1 (A)弾塑性材料の典型例である溶融石英の荷重-変位曲線 (B)準静的ナノインデンテーション後に測定使用した圧子を用いて取得した溶融石英表面のin-situ SPMイメージング像、測定後の圧痕が確認できる


準静的ナノインデンテーション測定の仕組み

ブルカーのナノインデンテーションシステムは、超低ドリフト・ノイズを実現するために3プレートの静電容量型トランスデューサーを採用した世界で唯一のナノインデンテーションシステムです。 変位は静電容量式センサの上部プレートと下部プレートに対し、互いに180°位相がずれたAC信号を流すことによって測定されます。 そのAC信号は中央(浮動)プレートによって観察され、信号の合計が測定された変位に対応します。 負荷を加える際には、DCオフセットがトランスデューサーの下部プレートに加えられること中央プレートを静電的に下方に引き付けます。その 結果としてAC信号の合計に差が生じ、AC信号のオフセット、つまり変位の変化をもたらします。


Nanoindentation Transducer Rest Applied

図2 ブルカーの静電容量型トランスデューサーの動作説明を示す概略図


準静的ナノインデンテーションデータ解析

ブルカーのナノインデンテーションシステムには、一般的な解析モデルを使用して、荷重-変位曲線の除荷曲線を解析し、複合弾性率(Er)と硬度(H)の値を抽出する準静的データ解析パッケージが含まれています。

また、高度な解析ソフトウェアパッケージによりナノインデンテーション用圧子先端の面積関数を計算し、弾性率、硬さの値の算出に反映することが可能です。このことにより、様々な先端形状の圧子が使用可能です。


Nanoindentation Analysis Calibration

図3 圧子の先端形状のキャリブレーション(面積関数の計算)のために準静的ナノインデンテーションを実施した結果


ナノインデンテーションを用いて測定できる機械的特性

ナノインデンテーションは、少量の材料の機械的特性を定量的に評価するために極めて有効な手法です。 試験中に得られた荷重-変位曲線に適切なモデルを適合させることによって、弾性率、硬さ、クリープ特性、応力緩和特性、界面接着強度や破壊靭性などの材料特性をナノスケールおよびマイクロスケールで測定することができます。


ナノインデンテーション試験装置

ブルカーでは様々な材料に対し、様々な条件でナノインデンテーション試験を実施するために、多種多様な試験装置および特定用途向けの技術を開発しています。 ナノインデンテーション試験装置に関する一般的な情報については、Hysitron Nanoindenter Overview を参照してください。

独立型ナノインデンテーションシステム

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TI 980 TriboIndenter

ブルカーの最先端のナノ力学特性、ナノトライボロジー特性評価装置。最大の性能、順応性、信頼性、感度、測定スピード速度。

TI950 Tool Image v5

TI 950 TriboIndenter

多用途に使用可能なナノ力学特性、ナノトライボロジー特性評価装置。幅広い複合評価をご提供可能。

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TI Premier

コンパクトなプラットフォームでナノスケールの力学特性評価のエッセンスを詰め込んだナノ力学特性評価専用装置。

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PI 85L SEM PicoIndenter

SEM(走査電子顕微鏡)中で行うin-situナノ力学特性評価ベーシックモデル

 

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TS 75 TriboScope

ブルカーのAFM(原子間力顕微鏡)に取り付けてナノインデンテーションを行う専用アタッチメント

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PI 88 SEM PicoIndenter

SEM、FIB/SEM中で行うin-situナノ力学特性評価ハイエンドモデル

 

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PI 95 TEM PicoIndenter

TEM(透過電子顕微鏡)中で行うin-situナノ力学特性評価モデル

 

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IntraSpect 360

X線顕微鏡、X線CT、ビームライン中で行うin-situナノ力学特性評価モデル

TS 75 Product image v1

TS 75 TriboScope

ブルカーのAFM(原子間力顕微鏡)に取り付けてナノインデンテーションを行う専用アタッチメント

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BioSoft In-Situ Indenter

バイオマテリアルやハイドロゲルなど柔らかい材料を定量評価する倒立顕微鏡取り付け型インデンター