XFlash FlatQUAD

EDS検出器の新常識

最新のEDS検出器技術を搭載

The XFlash®検出器シリーズの1つであるXFlash® FlatQUADは、これまでに類を見ない全く新しいコンセプトで構成されています。本EDS検出器は対物レンズと試料の間に検出器を配置します。そのため、この検出器はSEMチャンバの水平ポートに取り付けられます。通常のEDS検出器はSEMのポールピースに沿って斜入射で搭載され、試料から発生したX線を取得していました。しかし、この検出器は試料直上に配置され、試料と検出器間の距離も短縮できている為に、非常に高効率でX線を取得することが可能となり、更には試料凹凸の影響を受けにくい元素分析を可能としました。この検出器はX,Y,Z全ての軸において機械的な制限を保有しており、安心・安全にご使用をいただく事が可能です。

XFlash® FlatQUADの4つの独立したシリコンドリフト検出素子は、検出器モジュールの穴の周りに環状配置されています。一次電子ビームは、この開口部を通過します。この設計は、検出器の厚みを可能な限り薄くする必要が有ります。また、同時に、後方散乱電子が測定データに及ぼす影響を低減する新しい技術が必要となり、様々な厚みの反射電子を抑制する反射電子保護膜が装備されています。この反射電子保護膜は、真空に影響を与えることは有りません。この膜厚を変更する事により、低加速から高加速電圧まで様々な条件で元素分析を行う事が可能ですが、特に低加速電圧条件下での測定では空間分解能を向上した元素分析が可能となります。

Xフラッシュフラットクワッドの機能原理

高立体角と高効率測定、ならびに検出器を試料直上配置する優位性

検出器チップの位置とサイズ(4×15mm2の検出範囲)は、SEMで検出するX線が最大になる立体角を提供します。 特定の条件では60°以上の高取り出し角で、1sr以上を実現することが可能です。収集効率は非常に高いカウント率につながる可能性があります。そのため、4つの検出器チップすべてに個別の信号処理チャネルが装備されています。これにより、最大 4,000,000 cps の入力カウント レート(ICR)と、最大 1,600,000 cps の出力カウントレート(OCR)を実現しています。XFlash® FlatQUADは、Mn Kαで126 eV、100,000 cpsの入力カウントレート(C Kで51 eV、F Kで60 eV)の優れたエネルギー分解能を提供します。129 eV および 133 eV も用意されています。

XFlash FlatQUADの立体角とOCRは、5kV加速電圧、1nAのビーム電圧、対応する検出器の立体角で銅に対して達成できる出力カウントレート(OCR)の 検出器とサンプル間の距離のプロットの関数として、Nestor J. Zaluzecの検出立体角の公式によって理論的に計算されます。