NMR ソフトウェア


SmartDriveNMR

NMR実験に合わせて、最適なパラメータを迅速かつ容易に設定することができ、最短の時間で最高の結果を得ることができます。

SmartDriveNMR – 最新情報

2021年 1月 31日: 新しい機能を含む、新しい SmartDriveNMR がリリースされました。

新しい SmartDriveNMRは、すぐにご利用いただけます!

SmartDriveNMRは、高速ギアにシフトチェンジします。最新バージョンでは、NMRの自動化ワークフローに多くの柔軟性を与え、さらに品質を向上させました。

  • 柔軟性: 実際の解析が可能になる一次元および二次元スペクトルのパラメーターセットを設定します
  • 利便性: プローブ最適化に関係するパラメーターセットのためのリスト: CMC_COSY, CMC_TOCSY, CMC_NOESY,  CMC_C13DEPTQ135, CMC_F19 および CMC_F19CPD
  • 一般的な二次元実験の全てに対して、エラー回避のために NUS (Non uniform sampling) 設定が可能

新しい SmartDriveNMR 機能の概要についてはオンデマンドウェビナーをご覧ください。
オンデマンドウェビナーの視聴(英語)

品質データ
フェイルセーフな方法で取得
高度なデータ取得法
完全な柔軟性と自動化-NMRの熟練者および入門者の双方にとっての利便性
低分子化合物に
最も短い時間で、最も最適化されたNMRデータを取得

直感的で操作が容易なソフトウェアです。基本的な実験パラメータを入力すると、事前に指定された時間内に実行可能な、最も適切なNMR実験の組み合わせをSmartDriveNMRが判断して、実行します。

SmartDriveNMRはそれぞれのサンプルごとに、必要な実験を臨機応変に判断した上で、最適なパラメータを決定します。分光計の性能を最大限に活用することで、高品質のデータを得ることができます。測定と合わせて、構造式を入れておくことで自動でシグナルの帰属を行うことも可能です。


3か月間有効の評価用ライセンスは、登録/ログインしていただくと入手できます。

主な特長

  • SmartDriveNMRは、IconNMRに完全に統合されています
  • 主要なパラメータセットは、SmartDriveNMRがサポート
  • サンプルごとに、個別にSmartDriveNMR を適用するかしないかを指定可能
  • 定量と構造の同定を自動で実行可能
  • 二次元解析にはNon- Uniform Sampling(NUS)を使用

SmartDriveNMRのワークフロー

  1. ユーザーはIconNMRを使用して測定ジョブを指定し、登録します。入力する情報には、必要に応じて構造情報(.molファイル)を含めることもできます。
  2. 最初に、一次元プロトンスペクトル測定および解析が実行されます。
  3. シグナルの重なり具合とシグナル強度に関わる解析結果によっては、最適なパラメータを用いた追加実験を行うよう、判断します。
  4. 十分な時間がある場合、追加実験の設定と測定が全自動で行われます。測定を行う理由を記載させることもできます。SmartDriveNMRには、測定の最後に帰属を行う自動構造確認(Automatic Structure Verification:ASV)機能も備わっており、必要に応じて実行できます。

アプリケーション

確実な Non-Uniform Sampling (NUS)

NUSは、多次元NMR実験に使用するデータ取り込み法の一つです。展開方向の軸におけるデータポイント数を間引いてデータを測定し、測定後にスペクトルを再構成します。この手法を適切に利用することで、データの品質を犠牲にせずに測定時間を節約することができます。最適な設定は検討するサンプルによって異なり、設定はSmartDriveNMRが自動で行います。

1Dプロトンスペクトルと構造(既知の場合)を入力し (1)、サンプリング量(NUS%)の余裕のある上限値、例えば49%が見積もられます (2)。ここで、余裕をみて見積もったNUS%よりも大幅に低い、例えば15%のNUS%で2D実験のスペクトル測定を開始します。NUS%を段階的に増加させながら測定を続けると、見積もった値を超えずに、高品質でアーティファクトのないスペクトルが得られます (3)。

SmartDriveNMRの結果

単純に構造だけを考慮する方法では、いずれもHSQCが必要になる可能性がありますが、以下のように測定中に自動解析と決定を行うことにより、実験時間を短縮できます。

上の図 - SmartDriveNMR:多重線は十分に分離し、帰属は容易 → OPTimeモード:HSQCは収集しません

下の図 - SmartDriveNMR:多重線はCH/CH2領域で重なっているため、HSQCによって確実性が増す → OPTimeモード:HSQCが設定されます

SmartDriveNMRの各動作モードについては、技術詳細を参照してください。

SmartDriveNMRの柔軟性


SmartDriveNMRの柔軟性をご覧いただくために、分子の濃度や大きさが大きく異なるNMRサンプルを用いた例をご紹介します。測定は室温プローブiProbeを装着した 400 MHz AVANCE NEO分光計で行い、SmartDriveNMRはMAXperimentモードに設定しました。

SmartDriveNMRは、使用した全てのサンプルの1D 13Cおよび2D 1H-13C HSQCスペクトルを全自動で取得することができましたが、これを達成するためのパラメータには大きな違いがありました。
13Cのスペクトルでは、スキャン数が25 mMのサンプルの476回から0.8 mMのサンプルの5860回まで、10倍以上の差がありました。さらに高濃度の300mMのサンプルでは、わずか10回のスキャンで、良好なスペクトルを得ることができました(スペクトルは示されていません)。

HSQC実験では、13C側のポイント数を256に設定しましたが、NUSで実際に測定されたデータポイントの割合は19%から55%の間でした。また、スキャン数についても同様の傾向が見られ、濃度25mMのサンプルでは2回、0.8mMのサンプルでは20回となっています。

最適化された一次元 13C 測定

1D 1Hスペクトルの感度をもとにして、1D 13Cスペクトルの積算回数が、プローブのデザインを考慮しながら見積もられます。(1)。この例のスキャン数は1024回に設定されます。

測定中に、途中経過(例では256回)のS/Nを算出し、SmartDriveNMRが必要とするS/Nと比較します(2)。

必要なS/Nに達していなかった場合は、さらにスキャン数を増やして測定を続けた後、再びS/Nを算出します(3)。

この手順を繰り返して必要なS/Nが達成されると(4)、測定は終了します(例ではスキャン数600回)。

技術詳細

SmartDriveNMRの利用

SmartDriveNMRはIconNMRの一部に完全に統合されています。ソフトウェアの有効化は分光計の管理者が統括し、ユーザーグループごとに個別に使用を許可します。ユーザーはサンプルごとに、SmartDriveNMRを使うかどうかを決めることができます。ユーザーが入力する情報は、運転モードと、各サンプル測定全体に使用する時間の上限です。利用可能なモードの説明は、表をご参照ください。

運転モード 動作
FIXperiment パラメータの最適化を行わずに、ユーザーが設定した通りに実験を行います。測定時間は、設定された実験の時間となります。
指定した通りの結果が得られます。
OPTime
合成制御の業務に非常に有益で、与えられた時間内に収まる実験のみが、最適化されたパラメータで実施されます。
最適化された分光計の使い方で時間内に結果が得られます。
MAXperiment 技術的に可能な、与えられた時間内に収まる全ての実験が、最適化されたパラメータで実施されます。
最大限の実験数の結果を得ることができます。

OPTimeモードおよびMAXperimentモードの明確な違いがわかる例の一つは、エタノールのような高濃度な低分子化合物です。OPTimeモードでは、解析に十分なスペクトルが得られた時点でデータ測定を終了しますが、MAXperimentでは、時間内でなるべく多くの実験を行います。

設定 実際
OPTime、60分 1D 1H   3 分未満
MAXperiment、60分 1D 1H、 HSQC、1D 13C、HMBC 約50分